奥野 貴・石井 沙耶組 優勝者インタビュー【2025年3月23日JDCイーストジャパンダンス選手権・東日本オープン】

奥野先生と石井先生が語る成功の秘訣と今後の展望

奥野 貴先生

奥野 貴先生

JDCイーストジャパンダンス選手権優勝者。安定した実力とどっしりとした精神力で知られる。パートナーとの絶妙な連携が持ち味。

石井 沙耶先生

石井 沙耶先生

JDCイーストジャパンダンス選手権優勝者。優れた反応力と動きが評価される。フォロワーとしての感覚の良さに定評がある。

優勝の喜びと率直な感想


優勝おめでとうございます。優勝した今の率直なお気持ちをそれぞれお聞かせください。

奥野先生

アジアオープンが終わり、瀬内・斎木組が引退され、海外の試合も一段落し、ひと区切りついた安心感はありました。ただ、これからが本当のスタートだと思っています。今回の優勝は新たな一歩を踏み出せたという意味で、とても嬉しく思います。

石井先生

そうですね。同じくアジアオープン後の第一回目の東部の試合だったので、優勝させていただけて本当に嬉しいです。

競技会に向けての心構え


いつも競技会に向かうときに意識していることは何かございますか?

奥野先生

競技会と競技会の間にブランクを挟まないことですね。ブランクは気持ちや踊りに影響し、それが結局試合の結果につながっていくので。特別に1週間前、2週間前にすることは変わらないんです。気持ちと踊り、体を休ませないこと。それが特に意識していることですね。

石井先生

似たような意見になってしまいますが、なるべく変わらない日常を送るようにしています。特別「試合だから」という意識ではなく、日頃から試合に向けてあまり変わらない状態を保つようにしています。

お互いの相手に対する評価


それぞれ、相手の強みは何だと思いますか?

奥野先生

石井先生は、やはり動きが素晴らしいです。このフォロワーとしての反応が、他の人よりは確実に良いと思うんです。特に意識しなくても自然に踊れるという感覚がします。

石井先生

奥野先生は、舞台がどこになっても、海外であれ日本であれ、物怖じしないというか、そういうところがどっしりと構えてくださっているところが強みだと思います。そのおかげで安心して競技会に臨めます。

今日のパフォーマンス評価

今日のダンスに点数をつけるとしたら何点ですか?

奥野先生

100点満点で言うと、60〜75点くらいでしょうか。完璧な100点は一生ありえないと思っています。気持ちとしては120点の思いがあるんですけどね(笑)

満足感はいろいろな点でありますが、やはり100点とはいきません。準備はいつも通りちゃんとできていますが、競技会で極端に120点を出そうとは考えていません。常に80〜90点くらいの安定した良い踊りをして、そこにプラスアルファで特別なものを加えられれば理想的ですね。極端な波がないように、安定感のある踊りを目指しています。平均的に見て75点くらいだったのではないでしょうか。

石井先生

そうですね、80点くらいはいけたかなと思います。とても良かったわけではないという感じですね。変わらず2人の練習してきたものをそのままトライしてきたという感じです。

競技会への姿勢

お二人は競技会に対して特別な気持ちの切り替えというより、常に一定のレベルを保つというアプローチなんですね。

石井先生

そうですね。特に海外の大会に臨むときはそういう姿勢が大切だと実感しています。海外の大会に多く参加するようになって、その大切さを学びました。

奥野先生

基本的にはそうですね。海外選手の中で特別気負っている人は1人もいないんです。朝ごはんもみんなのんびり食べていたりします。

石井先生

「これから競技会に出るの?」と思うくらい、みんな落ち着いているんですよ。そういう姿勢を学ぶことが大切だと思います。急に思い詰めたりするのはやめようという考えです。

今後の目標とチャンピオンとしての自覚

今後、JDCを背負って引っ張っていく選手になると思いますが、お客様のためにどような姿を見せていきたいですか?

奥野先生

今日まで全日本のタイトルはまだありませんが、この「背負っていく」という意識によって、自分のたたずまいや気持ちが変わるものなんです。日頃から見られているという意識を持ち、特にダンスそのものは特別変えるつもりはありませんが、常に見られている意識を持って、ネクタイからタキシード、髪型、顔に至るまで、すべての自己管理が大切だと思います。

自覚を持って行動していくことが必要です。それがきっとダンスをもっと大人っぽく見せてくれて、ジャッジの先生にもお客さんにも安心して見ていただける形になるのではないでしょうか。特に海外のチャンピオンを見ていると、練習から身だしなみまでそういう姿勢が感じられます。

石井先生

そうですね。自覚を持って日々精進していきたいと思います。もっともっと努力していかなければと感じています。

でも、一方でまだまだ挑戦者の立場でもありたいんです。特に海外においては、まだまだ挑戦者の立場ですし、統一全日本大会などこれからの目標もありますので、そこに向けての努力も続けていきたいと思います。

ファンへのメッセージ

最後に、お客様やファンの方々へのメッセージをお願いします。

奥野先生

お客さんや僕たちを応援してくださる方々がいないと、ダンスも上達しませんし、海外にも行けません。皆さんの応援がパワーになっています。一緒に戦っているという感じがして心強いです。

そういう想いを共有しながら、自分たちも成長していきたいと思っています。また、自分達が成長したものを生徒さんにも還元できれば嬉しいですね。

石井先生

同じ意見になってしまいますが、本当にそうですね。生徒さんの存在ももちろん、親御さんの存在も、私たちがやっていく上での大きなモチベーションになっています。これからも皆さんと一緒に盛り上げていけたらと思います。ありがとうございます。

NEW LOD

インタビューを通して、お二人の人柄がよく伝わってきました。これからの活躍も楽しみにしています。ありがとうございました。

チャンピオンとしての意識と確かな実力

インタビューを通して明らかになったのは、奥野先生と石井先生の徹底したプロフェッショナリズムです。競技会に向けて特別な準備をするのではなく、日常から高いレベルを保ち続けるという姿勢が両選手の強さの秘訣ではないでしょうか。「ブランクを挟まない」「変わらない日常を送る」という言葉からも、継続的な努力と日々の積み重ねを大切にしていることが伝わってきます。また、「チャンピオンらしく」あろうとする自覚と、同時に「まだまだ挑戦者」でありたいという謙虚さのバランスが、彼らをJDCを代表するダンサーへと成長させています。今後の国内外での活躍が大いに期待される二人です。