社交ダンスを通じた仲間を何のひねりもなく「ダンス仲間」と呼ぶ。そんなダンス仲間と、お酒を飲みながらボードゲームをしました。
練習帰りでもなく、ちょっとしたお盆の夜。社交ダンスがなければ関わることがなかった人たちと社交ダンス抜きで集まって。そんな中、ぼんやりと社交ダンスの魅力はどこにあるのかを考えてみました。
目次
社交ダンスの何が魅力なのか
この記事を見てくれた人はダンスをやったことがあるのでしょうか?
そうだとしたら、辞めたくなったことはありますか。今、辞めたくなっていたりしますか。
もしくは彼や彼女が社交ダンスが好きで、理解してあげたいと思っていたりするのでしょうか。
社交ダンスが100%楽しくないこともある
初めに断っておくと、私は「とにかく社交ダンスは楽しいんだああ!!」みたいなことを言うつもりはありません。
私自身社交ダンスを初めて間もないし、たまたまリーダーに恵まれたから競技会に出てこそいるものの、ダンスは紛れもなく下手です。
そもそも私は根っからのインドア派で、ライターとして独立してからは隙さえあれば部屋に閉じこもりたいタイプ。もし、社交ダンスが屋外スポーツだったら初めてもいないかもしれません。
そんな私個人が社交ダンスにハマった理由、
だと思います。
社交ダンスを楽しみ続けるのも難しい
最近ダンスが楽しめない、ちょっと休憩しようと思うなんて声はたびたび耳にするものの、なんだかんだで社交ダンスを続けてしまうダンサーが周りには多い。
もちろん、社交ダンスが好きで好きでたまらない、根っからのダンサーな人たちもいると思います。
けれど、
1人で自己完結しようと思えばできなくもないけれど、自分とダンス以外の影響から逃れきるのは難しい。
自分とダンスの関わり以外のところで、ダンスを好きでいられなくなることだってある。すべての人が100%、いつでも社交ダンスが楽しくて楽しくてたまらないワケじゃない。
でも、社交ダンスにはそれでも続けてしまう魅力があるんだと思う。
ひとり以上のことができる可能性
社交ダンスの魅力の1つに、ひとり以上のことができる可能性にあると思います。
社交ダンスはペアでやるスポーツなのだけれど、その出来栄えを1+1=2の方程式に当てはめるのはとても難しい。
単純に考えて、男女が組んで進むというのは理にかなっていませんよね。
二人三脚だって走るだけなのに、それを音楽に合わせて、着飾って、笑顔で踊って。
どう考えたって2人で腕を組んでやることじゃないんです。1人でやっている方が好きに動けるはずなんです。
じゃあ各々が練習して、限りなく1人で踊るレベルをあげればいいのかというと・・・そういうわけでもありません。
1人でいくら上手に動けたからと言って、それぞれの音の取り方や細かい踊り方がかみ合わなければ足を引っ張り合ってしまう。
しかも、フロアーの広さは会場によってまちまちだし、他のカップルが踊っているからそれをよけなくてはいけません。
衝突によるルーティンの変更なんてよくあることで、ダンサーには臨機応変さが求められているのだと思う。
ただ、1+1=2以下になってしまうことも多い分、1+1=3にも4にもなる可能性が社交ダンスにはあります。
例えば、どちらかがバランスを崩したとしてももう一方が支えることだってできるし、2人いなければできないポーズをすることもできる。
ペアのうち1人が軸となることで、もう1人が独りで踊っている時にはできなかったことまで、できるようになってしまうんです。
社交ダンスはペアでやるものではありつつも、このタイミングでは男性のリードが目立つ部分、女性が主体になる部分などというタイミングが多い。
誰かにサポートしてもらうことで自分の限界以上に達する楽しさ、自分じゃ到底できなかったことができる楽しさ、自分のアシストで誰かが認められる楽しさ、それが社交ダンスにはあるんじゃないかと思います。
その感覚はいつも味わえるとは限らなず、なかなかうまくいかないときはハッキリいって辛い。そんな時の社交ダンスはお世辞にも楽しいとはいえない。
けれど、1度、想定以上の自分を体験してしまえばあの感覚にまた出会いたくて夢中になってしまう。
社交ダンスからつながる可能性
また、社交ダンスのつながりで関わったからといって、社交ダンスだけをするわけでもありません。
冒頭でもいったようにボードゲームをすることもあれば飲みにも行くし、一生の伴侶や親友を見つける人もいます。
この部分は、ペアやグループでやるスポーツの良い面でもありますよね。
どれだけインドア派だろうと最低限は人と関わる必要がでてくるし、スポットライトを浴びて楽しむスポーツだから、やればやるほど周りに認知されます。
社交ダンスをやっている層は幅広く、ジュブナイルと呼ばれる小中学生達から還暦を迎えた人生の先輩達までいる。
ダンスホールにいけば年やダンスの良し悪しは関係なく踊ることになるし、競技会では見ず知らずの違う世代が声をかけて応援してくれることもあります。
社交ダンスはやればやるほど新しい人間関係が広がっていきます。
新しい人間関係に飛び込むということは自分の可能性を広げることに直結するから、どんどん自分の世界が広がっていく。
そんな「世界が広がるめまぐるしさ」も、社交ダンスの魅力だと私は思います。
ちなみに、インドア派から見るとその「めまぐるしさ」で疲れてしまうこともあると思います。
自分が想定した人間関係じゃなかったり、意思疎通がとれなかったり、悲しいけれどこの楽しさに疲れてしまうこともある。
けれど、そうしたら休憩して、誰もいないところでシャドー(1人での練習)をすればいいんです。
ひきこもる可能性が少なくなるだけで、広がった世界のどこに属するかは自分に選択権がありますからね。
余談ですが、私は社交ダンサーの恋人には優しい人が多い思う。きっと、この疲れた時の緩和剤になっているんじゃないでしょうか。
個人的には、楽しくなくては何事も続かないと思う
社交ダンスをやっていると「意外だね、どこが楽しいの」とよく聞かれます。
かみくだいてみれば、自分の限界以上を楽しめることと、新しい世界が広がり続けること、私の場合はこれなんじゃないかと思う。
もちろん、プロなのかアマチュアなのか、始めたばかりなのか何年も努力したのか、リーダーなのかパートナーなのか、その背景の違いでいろいろな差は生まれるけれど、世の中には楽しくないなら辞めてしまえばいいことがあふれています。
社交ダンスもそのうちの1つで、だからこそ始める人もいれば辞める人もいるのだと思う。
社交ダンスに限らず相性っていうものは存在するから、始めた全員が楽しめるとは限りません。
けれど、もし少しでも興味をもっていたら挑戦してみるのがオススメです。
1+1=2以上のあなたは運動が苦手ではないかもしれないし、新しい世界はあなたがとても過ごしやすい環境かもしれない。