社交ダンスのワルツとは?基本・歴史・美しく踊るコツを初心者向けに解説

社交ダンスの中でも特に有名な種目といえば「ワルツ」。
ワルツには基礎的な動作が数多く含まれているため、社交ダンスを始める人がまず最初に取り組むことが多いです。
しっかりとワルツの基礎を身につけると、他の種目を学ぶ際にも大いに役立ちます。

そこで本記事では、ワルツの成り立ちや特徴、上達のコツや衣装の選び方、
さらにおすすめのワルツ動画まで紹介していきます。
社交ダンス初心者の方や、ワルツが苦手という方はぜひチェックしてみてくださいね。

社交ダンスのワルツとは?

ワルツのイメージ

ワルツは、13世紀ごろに西オーストリアや南ドイツで踊られていたダンスを起源とする種目です。
ゆったりした三拍子のリズムに合わせ、男女がペアで優雅に踊る姿が特徴的。
社交ダンスでは「スローワルツ」と呼ばれるものが、一般的に「ワルツ」として扱われています。

ワルツを含む社交ダンスの全体像を見てみると、大きくスタンダード種目とラテン種目に分かれます。
スタンダード種目の代表格がワルツで、社交ダンスの中でもっとも人気のある種目と言えるでしょう。

スタンダード種目 ラテン種目
  • ワルツ
  • タンゴ
  • スローフォックストロット
  • クイックステップ
  • ヴェニーズワルツ
  • ルンバ
  • サンバ
  • チャチャチャ
  • パソドブレ
  • ジャイブ

ワルツには「ヴェニーズワルツ」「スローワルツ」「タンゴワルツ」「オールドタイムワルツ」「ヘジテーションワルツ」など、
全5種類が存在。社交ダンスで「ワルツ」と呼ばれるのは、このうち「スローワルツ」を指します。

社交ダンスのレッスンを探す

社交ダンスのワルツができた成り立ち

ワルツの歴史

ワルツの起源は「ヴェラー」と呼ばれる13世紀のダンスにさかのぼります。
当時は男女が触れ合って踊る文化がなかったため、法律で禁じられていたほど。
それでも農民たちは密かに踊り続け、16世紀には都市部の人々も
より上品なスタイルへアレンジし始めたことで「ワルツ」が誕生したといわれています。

国際舞台で初めてワルツが披露されたのは1814年の「ウィーン会議」。
ここで登場したのが、別名「ウィンナ・ワルツ」とも呼ばれる「ヴェニーズワルツ」です。
ヴェニーズワルツを基に、スローワルツなど5種類のワルツへと派生し、
現在の社交ダンスで踊られる「ワルツ」が確立されました。

社交ダンスのワルツの特徴

ワルツの特徴

ワルツは日本語で「円舞曲」とも呼ばれ、その名のとおり回転が多いのが特徴です。
LOD(ライン・オブ・ダンス)方向、つまりフロアを反時計回りに進みながら踊ります。

3拍子のゆったりした曲調で「ワン・ツー・スリー」とカウントしますが、
細かい動きを入れる場合は半拍を「アンド」で数えることも。
ディズニーや映画音楽など優雅な曲を転用できるので、華やかな雰囲気を楽しめる種目です。

また、女性のドレスがふわっと広がる姿も魅力的。競技ダンスでは最初に踊られることが多いため、
観客や審査員にダンサー同士の相性を印象付ける、重要な役割を果たします。

社交ダンスのワルツは初心者でも踊れる?

初心者でも踊れるワルツ

社交ダンスといえば「ワルツ」を思い浮かべる方も多いように、ワルツは非常に人気の高い種目。
ステップが比較的覚えやすく、曲調がゆっくりしているため、
初心者でもチャレンジしやすいのが魅力です。

ただ、同じスタンダード種目のタンゴと比べて、ワルツはややステップが複雑ともいわれています。
もし不安な方はタンゴからスタートしてもOK。
どちらにしても、レッスンを重ねれば初心者でもワルツを優雅に踊れるようになるので、
まずは先生に「ワルツを踊ってみたい」という希望を伝えてみましょう。

社交ダンスのワルツでよくある動き

ワルツの動き

ワルツの代表的な動きとして「スイング」と「ライズ・アンド・フォール」があります。
これらは他のスタンダード種目にも応用できる基礎的なテクニックですので、ぜひ押さえておきましょう。

スイング

スイングとは、その名のとおり体を揺らす・振るという意味。
ワルツではゆったりとした3拍子に合わせて大きく体を動かすことで、
優雅かつ流れるような印象を与えます。

スイングの質を高めるには、次に紹介する「ライズ・アンド・フォール」の動きが欠かせません。
スイングとライズ・アンド・フォールが合わさることで、ワルツ特有のやわらかさが生まれます。

ライズ・アンド・フォール

ライズ・アンド・フォール」とは体を上下に動かす動作で、上体を高くするライズ、
そこから元の位置に戻すフォールを繰り返します。

ライズを大きくすることで次のステップを力強く見せることができ、
ワルツを上品に踊るために欠かせない要素です。
ライズ・アンド・フォールが上手くなると、他のスタンダード種目でも表現力がぐっと高まります。

社交ダンスのワルツを美しく踊るコツ

ワルツを美しく踊るコツ

ここからは、ワルツをより美しく踊るためのポイントを2つご紹介します。

  • ホールドの力と位置に気をつける
  • ウォークを習得する

ホールドの力と位置に気をつける

ホールド」とは、スタンダード種目で男女が組む際のポーズのこと。
特に握る力加減と手を置く位置が重要です。

まず、男性と女性が手をつなぐ部分は、卵を握る程度の強さをイメージしてください。
強すぎると相手を痛め、弱すぎると保持できません。

そして男性は女性の左肩甲骨、女性は男性の右肩あたりに手を添えます。
女性は男性から添えられた手にもたれかかるようにすると、より優雅な印象を与えられます。

ウォークを習得する

社交ダンスは「歩くダンス」とも言われるほど、ウォーク(歩き方)が基礎中の基礎です。
足裏・膝・足首・股関節をしなやかに使いながら、スムーズに進むことを意識しましょう。

地味に思えるかもしれませんが、優雅なウォークを身につけることはダンス全体のクオリティを高める近道です。
レッスンでしっかり練習しましょう。

社交ダンスのワルツで着る衣装は?

競技会や発表会に出る際に必要となるのがドレス。ワルツのドレスを選ぶ際は、下記のポイントを意識しましょう。

  • 左右対称のドレスを選ぶ
  • スカート丈が長めのものを選ぶ
  • 装飾が施されたものを選ぶ
  • シーンに合わせて色を選ぶ

スタンダード種目では、スカート丈が長めで露出が少ないものが基本。
フリルやスパンコールなど豪華な装飾が施されていると、踊ったときに華やかさが増します。

シーンによってはドレスの色も大切。競技会で目立ちたいなら、観客の服装と被らないように色を選ぶのがおすすめです。
迷ったら先生やパートナーに相談してみましょう。

社交ダンスのワルツでおすすめの動画

ワルツを練習する際に、ぜひ見てほしい動画を一つご紹介します。

こちらは元世界チャンピオンのアルナス & カチューシャ組が、社交ダンスの最高峰といわれる
Blackpoolの大会で披露したワルツです。テクニックの正確さとダイナミックな表現力が魅力的で、
社交ダンスファンや他のダンサーからも熱い支持を得ています。

ダンスの後にはほかの選手たちから胴上げされるシーンも。アルナス & カチューシャ組の功績や人望がうかがえ、感動的な仕上がりです。
他にもワルツのおすすめ動画がありますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

まとめ

ワルツは、「ワルツにはじまり、ワルツに終わる」といわれるほど、社交ダンスの基礎でありながら奥深い種目。
スイングやライズ・アンド・フォールといった基本動作に加え、ホールドやウォークを正しくマスターすることで、
自分をより優雅に表現できます。

ワルツをしっかり踊れるようになると、ほかのスタンダード種目にもスムーズに挑戦できますし、
自分磨きにもつながります。ぜひレッスンを重ねて、華やかなワルツの世界を楽しんでくださいね。

社交ダンスのレッスンを探す