社交ダンスといえば「ワルツ」が有名ですが、実は「ヴェニーズワルツ」というダンスも存在します。
名前が似ていて混乱してしまう方もいるかもしれませんが、両者は別の種類のダンス。
本記事では、ヴェニーズワルツの歴史や特徴、ワルツとの違いについて初心者向けにわかりやすく解説します。
「ヴェニーズワルツってなに?」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
社交ダンスのヴェニーズワルツとは?
ヴェニーズワルツは、ウィーン(ウインナ)発祥のワルツで、別名「ウィンナ・ワルツ」とも呼ばれます。
競技ダンスではスタンダード種目に含まれ、三拍子の曲に合わせてクルクルと回る動きが最大の特徴。
ワルツには以下の5種類がありますが、このうちヴェニーズワルツとスローワルツ(ワルツ)の2種類だけが
社交ダンス10種目に含まれています。
- ヴェニーズワルツ(社交ダンスの一つ)
- スローワルツ(社交ダンスで「ワルツ」と呼ぶダンス)
- タンゴワルツ
- オールドタイムワルツ
- へジテーションワルツ
スタンダード種目に分類されるヴェニーズワルツは、競技会で大人数が踊ると舞踏会さながらの雰囲気を味わえます。
スタンダードとラテンそれぞれの特徴が知りたい方は、ぜひ以下の記事もチェックしてみてください。
スタンダード種目 | ラテン種目 |
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ヴェニーズワルツの歴史
ヴェニーズワルツが広く知られるようになったのは、1814年に開かれた国際会議「ウィーン会議」。
宮廷舞踏会でメインとして踊られたのがきっかけでヨーロッパ全土に広まり、
「ウインナ・ワルツ」とも呼ばれるようになりました。
さらに「ワルツ王」と称される音楽家ヨハンシュトラウス2世が様式を整え、
現在のヴェニーズワルツが完成。その後、ワルツの中でもスローワルツを含めた
5種類が誕生するに至ったのです。
ヴェニーズワルツの特徴
ヴェニーズワルツは3拍子で、スピード感がある優雅なダンスとして知られています。
最大の特徴はステップの数が少ない点。基本的には右回りの「ナチュラルターン」、
左回りの「リバースターン」を中心に踊るため、バリエーションを自由に作れません。
その結果、実力差がステップの精度に直結し、競技会ではスキル不足がはっきりと目立つことも。
好成績を目指すなら、ヴェニーズワルツのターンやホールドをきちんとマスターしておく必要があります。
ヴェニーズワルツの動き
ステップが少ないヴェニーズワルツは、右回りのナチュラルターン、左回りのリバースターン、
そして両者を切り替える動きの3つで構成されると言っても過言ではありません。
バリエーションを作らない伝統があるため、型どおりのステップが求められます。
ヴェニーズワルツの特別なターン「フレッカール」
ヴェニーズワルツには「フレッカール」という特別なターンがあります。
フロア中央でくるくる回る動作で、競技会ではあまり見かけないものの、
目立ちたいときに使う大技として知られます。
ただし失敗すると悪目立ちにもなりかねないため、使い所には注意が必要です。
社交ダンスのヴェニーズワルツは初心者でも踊れる?
ヴェニーズワルツはテンポが速く、連続回転による目まわりのリスクも高いため、
社交ダンス初心者がいきなりマスターするのは難しいでしょう。
競技会でもB級以上になるまで登場しないことが多く、最初はワルツやタンゴなど、
同じスタンダード種目の基礎を固めるのが無難です。
どうしてもヴェニーズワルツを踊ってみたい方は、レッスンの先生に意欲を伝えておくと、
レベルに応じてタイミングを調整してくれるはずです。
ヴェニーズワルツとワルツとの違いとは?
「ヴェニーズワルツとワルツはどう違うの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
最大の違いはテンポです。
ワルツは約90拍/分のゆったりとした曲調ですが、ヴェニーズワルツは約180拍/分と
およそ2倍の速さでスピード感があります。
また、ヴェニーズワルツはステップ数に制限があるのに対し、ワルツには多彩なステップが存在。
そのぶんヴェニーズワルツのほうが難易度が高いとも言われます。
まずはワルツで基本を身につけてから、より速いテンポのヴェニーズワルツへ挑戦するとスムーズです。
ヴェニーズワルツにおすすめの曲3選
ヴェニーズワルツにぴったりな曲を3つご紹介します。どれも知名度が高く、踊っていて楽しくなる楽曲ばかりです。
- Potter Waltz
- Song Of Storms (from The Legend of Zelda)
- Once Upon A Dream
Potter Waltz
映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』に登場するワルツ曲。軽快で明るい曲調なので、
楽しみながらヴェニーズワルツを踊れそうです。
Song Of Storms (from The Legend of Zelda)
『ゼルダの伝説』のBGM「嵐の歌」をアレンジした楽曲。独特の荘厳な雰囲気があり、
重厚なヴェニーズワルツを踊りたいときにぴったりです。
Once Upon A Dream
ディズニー映画『眠れる森の美女』の名曲で、日本語では「いつか夢で」と呼ばれています。
宮廷舞踏会のような世界観にマッチし、優雅なヴェニーズワルツを演出できます。
ヴェニーズワルツを踊るときはどんなドレスを着る?
競技会や発表会でヴェニーズワルツを踊る場合、スタンダード種目らしく
スカート丈が長めで装飾が華やかなドレスを選ぶのが基本です。
以下のポイントを押さえておきましょう。
- 左右対称のドレスを選ぶ
- スカート丈が長めのものを選ぶ
- フリルやスパンコールなど豪華な装飾
- シーンに合わせた色選び
左右対称のドレスを選ぶ
スタンダード種目では、身体のラインがきれいに見える左右対称のドレスがおすすめ。
非対称なデザインだと角度によって背中や脚が歪んで見えることもあるため、初心者は左右対称を選ぶと無難です.
スカート丈が長めのものを選ぶ
スタンダード種目用のドレスは、ラテン種目用に比べてスカート丈が長く露出度が低いのが一般的。
店頭で購入する際は「ヴェニーズワルツに使えそうなドレスかどうか」を店員に相談すると安心です。
装飾が施されたものを選ぶ
フリル、スパンコール、レース、ファーなど、動きと連動して揺れる装飾を施すことで
ヴェニーズワルツをより華やかに魅せられます。派手かな?と思うぐらいがちょうどよいでしょう。
シーンに合わせて色を選ぶ
夏の競技会は薄色の服装が多い観客に映えるよう赤や黒など濃い色を、
冬は濃色の服装が多い観客に合わせて白や青など明るい色を選ぶと目立ちやすい傾向に。
あなた自身の好みや曲の雰囲気、パートナーとのバランスなどを考慮しながら選びましょう。
社交ダンスのヴェニーズワルツでおすすめの動画
ヴェニーズワルツを学ぶ上で参考になる動画を3つご紹介します。
- 初心者向けにステップを解説した動画
- フレッカールのコツを学べる動画
- 世界チャンピオンの華麗なヴェニーズワルツ
まずは初心者向けの動画を見てみよう
カウントのみでステップを丁寧に解説しているため、ゆっくりステップを習得したい方に最適です。
クルクル回る動きに慣れるところから始めましょう。
ヴェニーズワルツ練習中の方におすすめ
難易度の高い「フレッカール」のコツを解説した動画。競技会で差をつけたい方は必見です。
世界チャンピオンのヴェニーズワルツ
WDSF世界スタンダードチャンピオン・ドミトリー&クリコヴァ組の華麗な演技。
女性をリフトしながら回転する大技など、舞踏会のような雰囲気にうっとりします。
まとめ
ヴェニーズワルツは、ウィーン発祥のワルツで、スタンダード種目の一つ。
「ウィンナ・ワルツ」「ウインナーワルツ」とも呼ばれ、ワルツよりもテンポが速く、
ステップ数が制限されているのが特徴です。
一見シンプルに見えますが、回転が多く、バリエーションを作れないぶん実力差が
はっきり出てしまう難しさもあります。まずはワルツで基礎を固め、上達を感じたら
高難度のヴェニーズワルツに挑戦してみましょう。
踊り切ったときの達成感は格別。ぜひ優雅でスピード感のあるヴェニーズワルツをマスターして、
競技会や発表会で大いに活躍してください!