社交ダンスのパソドブレとは?パソドブレの特徴やおすすめの動画を解説!

社交ダンスの「パソドブレ」という種目をご存知でしょうか。パソドブレは社交ダンスのラテン種目の1つで、男性が主役という特徴があります。

パソドブレとはどのようなダンスか」について、パソドブレの歴史や特徴に触れながら解説していきます。

パソドブレをかっこよく踊るコツや、一度は観てほしいおすすめのパソドブレ動画もご紹介しますので、社交ダンス好きの方やこれからパソドブレを練習する方は必見です!

社交ダンスのパソドブレとは?

まずは、パソドブレがどのようなダンスなのかについて簡単にご紹介します。

パソドブレは20世紀のスペインで誕生し、フランスで進化したダンスです。2拍子の音楽にのって踊られ、1拍目にアクセントをとります。

パソドブレは「パソ」とも呼ばれています。スペインの闘牛を連想させるかっこいいダンスです。

そもそも社交ダンスには、おもに10種目のダンスがあります。パソドブレはこのうちラテン種目に分類されるダンスです。パソドブレは社交ダンスでは珍しく男性が主役のダンスです。

スタンダード種目 ラテン種目
  • ワルツ
  • タンゴ
  • スローフォックストロット
  • クイックステップ
  • ヴェニーズワルツ
  • ルンバ
  • サンバ
  • チャチャチャ
  • パソドブレ
  • ジャイブ

それぞれのダンスの特徴については下記の記事でご紹介していますので、ぜひ見てみてくださいね。

社交ダンスのパソドブレの歴史

パソドブレは1900年代のスペインで誕生したと言われています。当時のスペインでは、人と牛が闘技場に入場する際に「スパニッシュ・ワンステップ」という行進曲が流れていました。

その「スパニッシュ・ワンステップ」がスペインの中で徐々に人気になり、1900年代における文化の中心であったフランス・パリにまで及びました。

その後、パリでは音楽として広まった「スパニッシュ・ワンステップ」がダンスの名前としても広まり、最終的には呼び名を変えて「パソドブレ」として流行しました。パソドブレは世界的にも大流行して、今では、5つあるラテンアメリカ種目のうちの一つに加えられています。

ちなみに、パソドブレにはスペイン語でダブルステップという意味があって、ほかの種目と比べるとテンポが速いのが特徴です。

そのため難易度が高く、社交ダンスのラテンアメリカ種目に含まれているものの、パソドブレを上手に踊れる人はあまりいないといわれています。実際に、種目に制限のないパーティの場でパソドブレを踊る人はほとんどいません。

逆をいえば、パソドブレをしっかりと踊れると社交ダンスの上級者になったといってもよいでしょう。ほかの種目を習得して、社交ダンスの実力がついてきたと感じてからパソドブレに挑戦するのがおすすめです。

社交ダンスのパソドブレの特徴

パソドブレは社交ダンスの中でも男性が主役という珍しい特徴があります。5つあるラテン種目の中では4番目に踊ることが多いです。

先ほどお話ししたとおり、社交ダンスのラテンアメリカ種目には全部で5つありますが、そのうちのほとんどが女性を魅せるためのダンスです。

一方、パソドブレは男性を「マタドール(闘牛士)」、女性を「カポーテ(闘牛で使われる赤いケープ)」に見立てて踊る、男性が主役のダンスです。そのため、パソドブレはほかの種目に比べて、男性の力強さが光るダンスといえます。

パソドブレの特徴として、女性がダンス中に役割を変えるということも挙げられます。カポーテになったり、牛になったり、フラメンコダンサーになったりするのです。いずれも男性を引き立てる役なので、パソドブレでは女性が主張しすぎず、男性の邪魔をしない程度に魅せるのが全体として上手なペアに見せるコツです。

特に社交ダンスで世界大会に出ているようなカップルのパソドブレは圧巻です。男性はキレのある動きで観客を魅了し、女性はそれに華を添えるようにかつ、優雅に魅せるように踊っています。

レベルの高いパソドブレをYouTubeなどで見ておくと、実際に自分が踊るときの参考になります。本記事の後半でおすすめのパソドブレ動画をご紹介していますので参考にしてみてくださいね。

パソドブレの代表的なステップ

パソドブレには「シャッセケープ」というステップがあります。シャッセケープはパソドブレを踊るには必要不可欠なステップといわれており、男性は闘牛士、女性は闘牛士に操られるケープを表現しています。

また男性と女性ではシャッセケープのとらえ方が異なり、ステップ自体にも違いがあります。男性のシャッセケープと女性のシャッセケープの特徴をそれぞれご紹介します。

男性のシャッセケープ

男性がシャッセケープをする場合は、女性をリードしつつ力強くステップすることを意識するのがポイントです。そのときに女性を背中から動かすイメージをもつとステップが踏みやすいでしょう。

またパソドブレではホールドをしっかり保つというのも大切です。社交ダンスのホールドとは、男女が手を取り合って組む姿勢のことを意味し、通常男性の右手は女性の左肩に、女性の左手は男性の右肩あたりに置きます。

パソドブレを含む社交ダンスでは、ホールドがみだれると力強さや優雅さが崩れるので注意しておきましょう。

女性のシャッセケープ

女性がシャッセケープをするときは、くるくると回りすぎないようにするのがポイントです。女性のシャッセケープは男性の周りを回るステップですが、このときに女性が目立ってしまうとパソドブレの表現に反します。

女性の場合はあくまで男性を引き立てる役だという認識が大事です。極端にいうとシャッセケープでは男性の周りを歩くだけというイメージのほうが男性を上手く引き立てられます。

パソドブレをかっこよく踊る3つのコツ

ここからは、パソドブレをかっこよく踊るためのコツを3つご紹介します。難易度の高いパソドブレですが、これらのコツを意識するとキレのあるかっこいいパソドブレに仕上がりますよ。

  • シェイプを正しく作る
  • ヒップアクションを意識する
  • サイドリーディングは一歩ずつしない

シェイプを正しく作る

女性の場合、パソドブレのシェイプは後ろに大きく反ることが特徴です。このシェイプは正しく作るために筋力が必要であり、筋力不足で間違ったシェイプを作っている人も少なくありません。

【間違ったシェイプの特徴】

  • 腰から折れて反っている
  • 反るときにお腹を付き出すような形になっている

上記のような間違ったシェイプを作るときれいに見えないだけでなく、腰が痛くなる原因になります。

パソドブレの正しいシェイプを作るには、骨盤を後傾させる必要があります。まずは、お腹をうすく保ち、お尻の筋肉を使って引き上げましょう。さらに肋骨を上に引き上げたら、恥骨が天井を指すようなイメージで後ろに反っていきます。このときに首は前にもっていくイメージです。

このような手順でシェイプを作ると、パソドブレらしいシェイプが作れます。

ヒップアクションを意識する

パソドブレにを踊るときにヒップを固めてはいけません。

横への動きを意識してヒップアクションをしっかりと使いましょう。ヒップを横に動かすときに、アームを動かすとメリハリのあるヒップアクションができます。

サイドリーディングは一歩ずつしない

パソドブレにおけるサイドリーディングは一歩一歩おこなわないというのが特徴です。ちなみに、サイドリーディングとは、出る足と同じ側の体が先行して歩くことです。

パソドブレのサイドリーディングでは、ずっと右側が前もしくはずっと左側が前というように、同じサイドのまま歩くことが多くあります。

サイドリーディングを一歩ずつおこなってしまうと、ルンバウォークのように見えてしまうため注意が必要です。

かっこいいパソドブレの動画を紹介

つづいてパソドブレを踊るうえで一度は観てほしい動画を3つご紹介します。

競技会で優勝するような上手なダンサーのパソドブレを観ると、パソドブレのかっこよいイメージを意識しやすくなりますよ。

2016年【全日本学生競技ダンス選手権大会】優勝

こちらは、2016年におこなわれた第61回全日本学生競技ダンス選手権大会の優勝者によるオナーダンスです。

スパニッシュなかっこよい音楽にのってキレのある踊りが繰り広げられていますね。

男性は力強いダンスで、女性は優雅でありながら男性を立てるように踊っているのがわかります。短い踊りの中にもパソドブレのかっこよさが凝縮されている動画です。

2012年【日本インターナショナルダンス選手権大会】決勝

こちらは2012年におこなわれた第33回日本インターナショナルダンス選手権大会の決勝におけるパソドブレの演技です。

さすがプロフェッショナル部門といった圧巻のダンスです。各ペアごとの印象の違いを見比べるのも楽しいですよ。

また、セクシーで情熱的な衣装にも目がいきますね。学連の競技会では、赤のドレスを着ている女性が多かったですが、この大会ではカラフルなドレスを着ています。ドレス選びの参考になりますね。

2018年【世界大会】決勝

最後にご紹介するのは、2018年におこなわれたWDSF World Open Latinの決勝の動画です。

どのペアも力強くキレのあるダンスで審査員・観客を魅了していますね。

男性がしっかりと引き立てられており、女性はダンスの中でマントになったり闘牛になったりと役割が次々と変わっている様子がしっかりと表現されています。

社交ダンスのパソドブレではどんな衣装を着る?

競技会や社交ダンス教室の発表会に出るときに必要なのが衣装(ドレス)です。

パソドブレはスペインの闘牛をイメージしたダンスで、ドレスにも特徴があります。蹴回しというスカートの裾の部分が長く、闘牛士がもつマントのようにヒラヒラしているのです。

ラテン種目は一般的に短いスカート丈のドレスが多いため、パソドブレだけ特殊といえるでしょう。そのためパソドブレを踊るときにはパソドブレ用のドレスを着る必要があります。

色は、スペインを連想させる赤や黒が多く、装飾もスペイン風になっているドレスが多いです。

逆に、色や柄などで人とかぶらないドレスを選ぶと競技会で目立つことができます。

パソドブレのドレスは、ほかのラテン種目に比べて露出度は低めですが、ドレスによっては背中が大きく開いているものもあります。

そのため、衣装の下に着るインナーは肌色でなるべく目立たないものをチョイスしましょう。「社交ダンス インナー」などのワードで検索すると、露出度の高いラテンドレスにも対応できるインナーを見つけられます。

背中の開いているドレスでもしっかりと補正したい方には、下記のインナーがおすすめです。

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感想(11件)

髪飾りにはバラを使用することが多く、髪飾りでもスペインらしさを演出できます。パソドブレの衣装のイメージがわかないという方は、YouTubeやTwitter、Instagramなどでパソドブレの動画を見てみてください。

また先生やパートナーに相談すると、自分に合ったドレスを選べますよ。

まとめ

社交ダンスで踊るパソドブレは1900年代のスペインで生まれました。当時は闘牛場で利用されていた曲ですが、それがフランス・パリに渡ることで現在のパソドブレになったと言われています。

パソドブレは5つあるラテンアメリカ種目の中でも唯一、男性が主役になるダンスです。そのため男性は力強さを発揮できます。

パソドブレは難易度が高く上手に踊れる人は少ないといわれています。パソドブレを練習中の方は、今回ご紹介したパソドブレをかっこよく踊る3つのコツを意識しながら練習してみてくださいね。

これから社交ダンスを始める方や社交ダンス初心者の方は、ほかのラテン種目から練習をスタートし、ラテン種目に慣れてきたらパソドブレにチャレンジしてみましょう。

パソドブレの動画を観てイメージを膨らませておくと、パソドブレの練習をスムーズにスタートできるためおすすめです。

パソドブレは衣装選びも表現の一つです。スペインらしさが演出できて目立つものをチョイスするとよいでしょう。