映画やドラマで時折テーマとなる社交ダンス。
映画「Shall we ダンス?」や、バラエティ番組「ウリナリ芸能人社交ダンス部」で社交ダンスはブームとなりました。
最近では、漫画やアニメ、ドラマでも題材とされ社交ダンスは再び人気が出てきています。
このようなメディアをきっかけに、社交ダンスに興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。
ただ、いざ自分も社交ダンスを始めてみたいと思ってはみたものの、全くの初心者で何から始めればよいか迷ってしまいますよね。
社交ダンスはスポーツです。
どこで、誰から、どのようにして技術を学んでいくか、はとても重要なポイントとなります。
この記事では、社交ダンス初心者が始めに迷うであろうポイントについて、順を追って解説していきます。
この記事を読むことで、以下のことが分かります。
- 社交ダンス教室の選び方
- 社交ダンス初心者向けの練習着・シューズの選び方
- 社交ダンス初心者におすすめの種目
- 社交ダンス初心者を卒業できる期間の目安
これから社交ダンスを本格的に始めてみたいという方だけではなく、
社交ダンスを始めてみようかなと迷っている方にも参考になる情報です。
初心者におすすめのダンス種目の参考動画なども交えながら解説しているので、
ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
社交ダンス初心者はどこで習えるの?
社交ダンス初心者にとって、どこで誰から社交ダンスを習うかは、将来うまく踊れるようになるためにとても重要なポイントとなります。
社交ダンスを習える場としては下記が代表的です。
- 社交ダンス教室
- 地域の社交ダンスサークル
- 学校の部活
一番効率的に社交ダンスを学べるのは、社交ダンス教室です。
社交ダンス教室では、プロダンサーが講師である場合が多く、ダンスのための姿勢や基礎的なステップなど、ダンスの基本から分かりやすく教えてくれます。
多くの教室がグループもしくは1対1でのプライベートレッスン形式を取り入れています。無料または、有料で入会前の体験レッスンを受けられる場合が多いです。
地域の社交ダンスサークルは、趣味として活動している社交ダンス好きが集まるコミュニティです。プロの講師をゲストとして招いているサークルもあるようです。
サークルによっては、バーベキューや旅行などのイベントも多く開催されていて、会員同士で密に楽しく活動できるのが魅力です。
高校や大学では、部活として社交ダンス部が存在するケースがあります。
学生の方で、ご自身の学校に社交ダンス部がある場合には、まずは見学してみることをおすすめします。
社交ダンス教室選びの3つのポイント
社交ダンスを学べる場として、「社交ダンス教室」「サークル」「学校の部活」を挙げました。
これらの中でも、通える時間が限られている社会人の方や、本格的に基礎からしっかり学びたい方の場合には、スケジュールが柔軟でプロ講師から教わることができる社交ダンス教室を選択することが一般的です。
社交ダンス教室を選ぶ際、以下3つのポイントが重要となります。
- 習う目的や希望の種目を考える
- 初心者コースがあるものを選ぶ
- 体験レッスンで先生との相性を確認する
それぞれについて解説します。
習う目的や希望の種目を考えよう
社交ダンス教室を選ぶために一番重要なことは、「ダンスを習う明確な目的」と「将来技術を伸ばしていきたい希望のダンス種目」を定めておくことです。
まず予備知識として、
社交ダンスは「スタンダード(ボールルームやモダンとも呼ばれる)」と「ラテンアメリカン」という2種類のジャンルに分かれています。
それぞれ5種目あり、計10種目のダンスがあります。
たとえば、「タンゴ」や「サンバ」というダンスの名前を聞いたことはないでしょうか?
「タンゴ」はスタンダードの種目であり、「サンバ」はラテンアメリカンの種目です。
「スタンダード」と「ラテンアメリカン」は競技化されており、「競技ダンス」と言われています。また「ダンススポーツ」と呼ばれることもあります。
「競技ダンス」の他には、競技化されておらず比較的簡単に踊れる「パーティダンス」というジャンルもあります。
社交ダンスで目指す目標レベルとしては、大きく分けて3つあります。
- パーティダンスレベル
- メダルテストレベル
- 競技ダンスレベル
パーティダンスレベル
パーティダンスレベルは、そのままの意味でパーティで踊れる程度の簡単なステップを応用して踊れるレベルです。ダンスを楽しむのが一番の目的なので、高度なテクニックは必要ありません。
パーティダンスの種目である、「ブルース」や「ジルバ」はシンプルで簡単なステップで構成されているため、初心者にもおすすめです。
このレベルを目指す方は、どういったジャンルでも共通している技術を基礎から教えてくれる教室を選ぶのが良いでしょう。
メダルテストレベル
メダルテストレベルは、さらに目標が明確になります。
メダルテストとは、公益社団法人全日本ダンス協会連合会(ANAD)が主催する、アマチュアダンス技術検定試験のことです。
6級からファイナル級まであり、3級以上の合格者にはメダルが授与されるため、メダルテストと称されています。
以下のANADのサイトで受講級と種目が確認できるので、気になる方は是非みてみてください。
全日本ダンス協会連合会のアマチュアダンス技術検定
メダルテストレベルを目指す場合は、プライベートレッスンがある社交ダンス教室を選びましょう。
初心者コースやグループレッスンで技術を磨いた後は、中級者コースやプロ講師とのマンツーマンレッスンへと進むのが、ご自身の技術向上のためにも合理的な選択です。
競技ダンスレベル
競技ダンスを本格的に習得していきたいという場合には、習いたいジャンルや種目に強い教室を探す必要があります。
希望している種目でプロとして活躍されている方が講師をしている教室が良いでしょう。
講師の方の過去の経歴や、大会での成績などを確認しておくことも重要です。
初心者コースがあるものを選ぼう
社交ダンス教室を初めて選ぶという方は、初心者コースがある教室を選びましょう。
多くの教室は初心者向けのレッスンがありますが、同じ初心者向けでも内容は教室ごとに大きく異なります。
教室によっては年齢制限を設けている教室もあります。
始めの内は自分と同じ年齢層で、全くの初心者が多く在籍しているグループレッスンコースを開催している教室を探すのがいいでしょう。
初心者仲間もできるので、モチベーション維持にもつながります。
教室によっては、「入門者コース」「初心者コース」と分かれていることもあります。
「入門者コース」がある場合は、全くのダンス未経験からでも安心して習える設計となっているので、より安心して通うことができるでしょう。
体験レッスンで先生との相性を確認しよう
気になる教室が決まったら、まずは体験レッスンに申し込んでみましょう。
多くの教室で入会前の体験レッスンを受けることができます。
体験レッスンで確認しておきたいポイントは沢山ありますが、中でも重要なのは講師の先生とご自身との相性です。
具体的には以下のようなポイントです。
- 技術の伝え方・教え方が上手いか
- 初心者にも真剣に向き合ってくれているか
- 質問に誠実に答えてくれるか
- 時間を大切にしてくれるか
講師の方の「人となり」を確認しておくことが重要です。
技術力は高くても、教え方が自分には合わなかったり、一方的にレッスンが進んで生徒が置いてけぼり状態になってはいけません。
ご自身と先生との相性をチェックして、その講師のもとでモチベーションを維持しながら通える確信が持てるか、意識して体験レッスンを受けてみましょう。
社交ダンス初心者の服装や持ち物
教室が決まったら、気になるのが社交ダンス教室での服装ですよね。
通い始めのうちは、動きやすい服装や運動靴で問題ありません。
教室によって指定がある場合には、そちらに従いましょう。
ダンスにも徐々に慣れてきたら服装にもこだわっていきたいところです。
服装は、ダンスをよりきれいに上手に見せてくれるポイントの一つでもあるからです。
この項目では、以下について紹介します。
- 初心者におすすめの練習着
- 社交ダンスにおすすめのダンスシューズ
ダンスが上達してくると、自分にあった服装を選ぶのもだんだんと楽しくなっていきそうですね。
初心者におすすめの練習着
まず、練習着は特に決まったルールなどはありません。
その上で押さえておきたいことは以下のポイントです。
- 動きやすいもの
- ストレッチ性のあるもの
- 身体のラインが綺麗に見えるタイトなもの
- 装飾がついていないもの
社交ダンスをするうえで、動きやすさで選ぶのは大前提となります。
素材はストレッチ性のあるものを選びましょう。
また、社交ダンスでは身体のラインが見えるタイトな服装が好まれています。
気を付けておきたいのは、装飾の有無です。
社交ダンスは常にパートナーとの接触があります。
華美な装飾品がついている服装ですと、思わぬところで相手をケガさせてしまう恐れがあります。練習では、服の装飾含め一切のアクセサリーは着用しないよう注意しましょう。
それでは、女性と男性でそれぞれ具体的な服装を紹介します。
男性におすすめの練習着
男性の場合は、以下のようなものが一般的です。
・ブラックまたはホワイトのシャツ
・ブラックのパンツ
色はシンプルに、ブラックとホワイトで合わせたコーディネートがおすすめです。
サイズ感は、身体にフィットしたタイトな形をしたものを選ぶようにしましょう。
女性におすすめの練習着
女性の場合も基本は男性と同様で、シンプルかつタイトで、身体のラインが綺麗に見えるものがよいでしょう。
オーソドックスな女性の服装は以下の通りです。
- ブラックのタイトなトップス
- ブラックのスカート
ネットショップ等で検索してみると、色々なスタイルが画像で確認できるので参考にしてみてはいかがでしょうか。
女性の場合は、綺麗で可愛い練習着がモチベーションとなっている事もあるようです。
男性、女性ともに以上で挙げたのは一例です。
社交ダンス教室によって、固有の雰囲気やルールがあるかもしれません。
気になる場合は、教室に直接聞いてみたり、教室のホームページにある画像を見てみたりしておくとよいでしょう。
社交ダンスにおすすめのダンスシューズ
練習着が選べたら、次はダンスシューズです。
社交ダンスのシューズは、以下の3種類から選ぶことになります。
- スタンダード用のシューズ
- ラテン用のシューズ
- 兼用のシューズ
初心者の方は、スタンダードとラテンどちらの練習にも対応できるように兼用シューズがおすすめです。
自分の極めていきたいダンスの方向性が定まってから、種目専用シューズの購入を検討すればよいでしょう。
3種類それぞれの特徴について解説します。
スタンダード用シューズ
スタンダード種目は踵からステップする動作も多いため、男女ともにローヒールであることが特徴です。
女性用シューズは、つま先まで覆われたパンプス型をしています。
男性用のシューズは、エナメル質で甲部分が厚めに作られた重厚感のあるものが一般的です。
ラテン用シューズ
アグレッシブなラテン用のシューズは、足全体を柔らかく動作させるために、柔らかい素材で作られています。
女性用シューズは、サンダル型でつま先が開いています。
男性用のシューズは、ヒールがスタンダード用よりも高く設計されているのが特徴です。
兼用シューズ
スタンダードにもラテンにも対応できるのが兼用シューズです。
気軽なダンスパーティなどで使われることも多く、「パーティシューズ」とも呼ばれています。練習ではダンスによって履き替える必要も無いので便利です。
購入する際は「兼用」の表記があるものを選びましょう。
社交ダンス教室へ通い始めのうちは、まだ希望する種目が決まっていないことも多いはずなので、迷う場合には兼用シューズを1足持っておきましょう。
社交ダンス初心者は何から習うべき?
いよいよ社交ダンスの種目選びです。
冒頭でも少し解説しましたが、社交ダンスは全部で14種目あります。
内訳は以下の通り。
- スタンダードダンス
- ワルツ
- タンゴ
- スローフォックストロット
- クイックステップ
- ヴェニーズワルツ
- ラテンアメリカンダンス
- ルンバ
- チャチャチャ
- サンバ
- パソドブレ
- ジャイブ
- ラテンアメリカンダンス
- パーティダンス
- ジルバ
- ブルース
- マンボ
- スクウェアルンバ
これだけの種目があると、それぞれの特徴も分からない状態で、社交ダンス初心者がどれから習うべきか選ぶのは難しいですよね。
初心者は全てのダンスに通ずる基礎が詰まった「ワルツ」と、比較的簡単に覚えられるパーティダンスのうち「ジルバ」と「ブルース」がおすすめです。
「ワルツ」「ジルバ」「ブルース」は、どの社交ダンス教室でも始めに教わるケースが多い種目です。
それぞれの特徴について解説していきます。
ワルツ
ワルツは、「スタンダード」の一種目で、社交ダンス初心者が初めに習うことが多い競技ダンスです。
「ダンスはワルツに始まりワルツに終わる」と言われるほど、ワルツは社交ダンスの代表格的な位置づけとされています。
ゆったりとしたリズムで、女性のドレスが揺れる姿が美しく優雅なのが特徴です。
「ワルツ」とは「まわる」という意味で、日本語では「円舞曲」と表現されます。
男女ペアとなり、舞台を反時計回りに踊っていきます。
「ワルツ」は競技ダンスの大会では一番初めに踊る事が多い種目です。
そのため、ペアの踊りの印象を決める重要な位置づけの種目となっています。
初心者におすすめの理由は以下の通り。
- 比較的ゆったりとしたダンスであること
- 社交ダンスの基礎基本が詰まっていること
- ワルツにはディズニーなどの有名な曲があること
- 他の種目を習う際に役立つこと
ワルツはゆっくりした音楽に合わせて、シンプルなステップで踊れるため、初心者向けと言われています。
また、ワルツで社交ダンスの基礎を身につけることで、他の種目へもスムーズに進めます。
ディズニー「美女と野獣」等の有名な曲があるのも、初心者向けの理由の一つです。
ワルツの雰囲気を動画で確認してみましょう。
回転する女性のスカートが、ひらひらと舞い美しい印象ですね。
競技ダンスを目指すのであれば、初めにワルツを習うのがおすすめです。
ブルース
ブルースは「パーティダンス」の種目です。
「スタンダード」や「ラテンアメリカン」のような競技ダンスではありません。
ゆったりとした音楽に合わせて踊るのが特徴で、「スローリズムダンス」とも呼ばれています。
今までダンスを全く踊ったことのない未経験者やダンス入門者向けです。
その理由は以下の通り。
- シンプルで簡単なステップで構成されていること
- ゆっくりとした音楽に合わせたダンスであること
- 会話を楽しめる余裕がある程のダンスであること
社交ダンス教室では一番初めに習うケースが多いようです。
覚えるステップも少なく、シンプルな構成なので、すぐに社交ダンスの楽しさを感じることができます。
動画でブルースの雰囲気をみてみましょう。
とてもゆったりとした音楽と、軟調なステップなので比較的すぐに覚えられそうですね。
社交ダンス初心者の方が、初めに習うにはとても向いている種目です。
ジルバ
ジルバもブルースと同じく「パーティダンス」の種目です。
そのため、社交ダンスの入門的な位置付けとなっています。
ジルバは1945年の終戦と共に、アメリカ進駐軍によってもたらされた、比較的新しいダンスです。
「ジルバ」は和製英語であり、正式には「Jitterbug(ジッターバグ)」と言います。
Jitterは「小刻みに震える」という意味で、bugは「虫」という意味。
転じてスラングで「酔っ払い」という意味合いがあるようです。
ジルバの特徴としては、その名前のニュアンス通り、アップテンポな音楽に合わせた軽快なステップ構成のダンスです。
ジルバが初心者におすすめの理由は以下の通り。
- ステップが簡単であること
- ラテンの基礎・リズムを養えること
- アップテンポながら楽しめること
社交ダンス教室では、ブルースと共に初めに習うことが多いようです。
スピード感のある音楽に合わせて踊るジルバは、ラテンのリズムを養うことができます。
ジルバの雰囲気を動画で見てみましょう。
ブルースとは全く違った雰囲気で、楽しげなノリのダンスです。
アップテンポではありますが、シンプルなステップで初心者でもすぐに踊れるようになる種目です。
どのくらいで社交ダンス初心者を卒業できる?
社交ダンスを始めるからには、出来るだけ早く上達させて大会等にも出てみたいと思っている方も多いはず。
社交ダンス教室に入会し、「どのくらいの期間通えば初心者を卒業できるのか」気になりますよね。
初心者レベル卒業が、「簡単なダンスや基本のステップが踊れる」と考えた場合、
人にもよりますが、目安としては個人レッスンで「3ヶ月から半年で卒業」できるようです。
そもそも初心者レベルとはどのようなレベルなのでしょうか。
社交ダンス業界全体での明確な基準はありません。
「ダンスを踊れる」と一言にいってもそのレベルは様々です。
- 物覚えが早くステップが沢山できる人
- リード(パートナーに対して動く方向などを誘導する人)に合わせて上手く踊れる人
- シャドー(パートナー無しで踊ること)が上手な人
どの方も少なくとも社交ダンス初心者ではないと思います。
社交ダンス教室では、入門コース、初心者コース、中級者コース、上級者コースと分かれていることが多いです。
例えば「このステップが出来たら次のコースへ」などと、ある程度の基準を設けている教室もありますが、基本的には自らの意思で次のコースへのステップアップのタイミングを決めないといけません。
「初心者が3ヶ月から半年で脱初心者」というのはあくまで目安です。
まずはこの記事の初めに解説した、ダンスを習う目的を明確にする必要があります。
どのようなスポーツにも共通しますが、ただ受け身でレッスンを受講しているだけでは、脱初心者できるまでの期間は伸びてしまいます。
目標を定めてレッスンに取り組む、予習や復習をする、ネット上の動画で学ぶなどの努力で、この期間を短くすることができるはずです。
明確な目標とスケジュールを入会当初から定めておくと良いでしょう。
社交ダンス教室選びの項目でも解説した「メダルテスト」の検定を目標にするのも有効です。メダルを獲得することができれば、自身のステップアップを実感することができ、技術の証明とモチベーションの維持に繋がります。
まとめ|社交ダンスは初心者でも十分楽しめる!
社交ダンス初心者の方のために、社交ダンス教室の選び方や練習の際の服装、初心者におすすめの種目などについて紹介しました。
メディアで流れる社交ダンスを見ていると、とても華やかで楽しそうなイメージがあります。ただ、いざ自分が社交ダンスを始めるとなると、本当に自分でも踊れるようになるのか不安になりますよね。
ですが心配はいりません。この記事でも紹介した様に、社交ダンスにも色々な種類があります。
その中には、初心者向けの種目も多くあり、社交ダンス教室では、そのような初心者でも簡単に踊れる種目からスタートします。
ダンス初心者でも気軽に踊れるパーティダンスは、初心者でも初日から十分に楽しめる程のレベルです。
誰もが始めは初心者。せっかく社交ダンスに興味を持たれているのであれば、まずは無料の体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか。