社交ダンスといえば、男女が手を取り合って優雅に踊る美しい姿が印象的です。 そんな社交ダンスは、いったいどのような経緯で現在の形になったのでしょうか? 本記事では社交ダンスの歴史をたどりながら、スタンダード種目・ラテンアメリカ種目の特徴についてもご紹介します。 これから社交ダンスを始めようという方は、ぜひ参考にしてみてください。
社交ダンスの歴史とは
現代の社交ダンスの基礎となる「ワルツ」が確立したのは18世紀後半とされています。 ここに至るまでには、下記のようなダンスが段階的に登場し、少しずつ今のスタイルに近づいていきました。
- 12世紀のラウンドダンス
- 16世紀のラ・ボルタ
- 18世紀のヴェニーズワルツ
ラウンドダンスとは
12世紀に広場などで大勢が集まって踊ったのが「ラウンドダンス」です。 当時は男女が手を取り合わず、それぞれが独立して動き回るスタイルでした。 今のように男性と女性が触れ合う優雅な姿はなく、同じ空間で各自が踊るイメージです。
社会的にも男女が手を取り合って踊るという考えがなかった時代背景から、 現代の社交ダンスとは大きく異なります。
ラ・ボルタとは
ラウンドダンスが主流だった16世紀頃、「ラ・ボルタ」というダンスが誕生します。 ここで初めて男女が手を取り合って踊るスタイルが登場。 この時点で、現代の社交ダンスに近い形が生まれ始めたと言えるでしょう。
ヴェニーズワルツとは
18世紀後半、ヨーロッパのウィーンで「ヴェニーズワルツ」が誕生。 男女が向かい合って手を取り合う優雅な踊りで、これが社交ダンスの誕生とされています。
ヴェニーズワルツは「ウィンナーワルツ」とも呼ばれ、素早い回転と優雅なムーブが特徴。 目が回るほどの高速回転が必要で、難易度が高い種目としても知られています。
現在の社交ダンスの種類とは
現在の社交ダンスは、大きく分けて「スタンダード(モダン)」と「ラテンアメリカ」の2種類があります。 それぞれに含まれる種目をご紹介しましょう。
スタンダード種目の社交ダンスとは
スタンダード種目では男女が密着し、流れるような曲に合わせて踊るのが特徴。 男性は燕尾服、女性はドレスという優雅な衣装を着用するため、 「社交ダンスらしさ」をイメージしやすいかもしれません。
代表的な5種目は以下の通りです。
- ワルツ: 社交ダンスの基本となる3拍子のダンス
- タンゴ: キレのある動きと情熱的な表現が魅力
- スローフォックストロット: ゆったりとした曲で優雅に踊る
- クイックステップ: 跳ねたり走ったり運動量の多いアップテンポなダンス
- ヴェニーズワルツ: リズムが速く、ステップ自体は少ないが難易度は高い
これから社交ダンスを始める方は、まずはワルツから練習し、 ステップアップしてほかのスタンダード種目に挑戦するのがおすすめです。
ラテンアメリカ種目の社交ダンスとは
一方、ラテンアメリカ種目の社交ダンスは、男女が離れる動きが多く、よりアグレッシブなステップが特徴。 衣装も肌の露出が多めで、セクシーかつ情熱的な雰囲気を醸し出します。
- チャチャチャ: リズミカルな曲に合わせ、キュートな動きが目立つ
- サンバ: ブラジルのサンバを社交ダンス向けにアレンジしたもの
- ルンバ: ゆったりした曲に合わせ、男女の恋愛感情を表現
- パソドブレ: 闘牛士がモチーフで、唯一男性が主役となる種目
- ジャイブ: アップテンポな音楽に合わせ、跳ねるように踊る
ラテン種目はスタンダードよりも運動量が多く、初心者にはやや難易度が高めです。 まずはスタンダードで基礎を身につけたあと、ラテンアメリカに挑戦するのがスムーズでしょう。
まとめ
現在の社交ダンスが誕生したのは18世紀後半のヴェニーズワルツがきっかけとされていますが、 それ以前にもラウンドダンスやラ・ボルタなど、時代ごとにさまざまなダンスが生まれ、 進化を続けてきました。
今ではスタンダードとラテンアメリカという2つの大きなジャンルに分かれ、 ワルツやタンゴ、ルンバなど、各種目の個性が光る世界へと広がっています。 これから社交ダンスを始める方は、ぜひスタンダード種目から基礎を学び、 ゆくゆくはラテンにも挑戦してみてください。競技会に出場するなど、目標を立てて続けるのも楽しいですよ。