競技ダンス観戦初心者におすすめ! スーパージャパンカップの「観る専」とは?

2023年3月4日(土)、3/5(日)社交ダンスの競技会、スーパージャパンカップが幕張メッセイベントホールにて開催されました。今年も約1000組以上の選手が出場し熱い熱戦が繰り広げられました。最近ではテレビの影響もあり社交ダンスの競技会に興味のある方が増えていますが、スーパージャパンカップでは昨年から「観る専/聴く専」という新たなサービスが開始されています。

競技会を初めて観戦する方や社交ダンス初心者向けの「観る専」、通の方向けのディープな説明を聴きながら観戦できる「聴く専」。今回はスーパージャパンカップについてと、観る専/聴く専」について、「観る専」体験インタビューを含めて、お伝えいたします。

スーパージャパンカップとは?

スーパージャパンカップは日本の社交ダンス主要団体JBDF(公益財団法人 日本ボールルームダンス連盟)が主催する競技会で、選りすぐりのプロ、アマチュアが参戦する全日本選抜ダンス選手権、上位12組のトッププロのみが出場できるショーダンス「セグエ」ほか、12歳未満のキッズから65歳以上のスーパーシニアまで幅広い年代の選手が出場する、とても見応えのある競技会です。

まずは今回のスーパージャパンカップの結果について、今年のセグエと全日本選抜ダンス選手権プロ・アマチュアの上位受賞者を3位までお伝えします。

■セグエ 
スタンダード
1位 橋本剛&恩田恵子 組
2位 福田裕一&エリザベスグレイ 組
3位 廣島悠仁&石渡ありさ 組

ラテン
1位 野村直人&山﨑かりん 組
2位 正谷恒揮&齋藤愛 組
3位 竹内大夢&中島由貴 組

■全日本選抜ダンス選手権 プロ
スタンダード
1位 橋本剛&恩田恵子 組
2位 廣島悠仁&石渡ありさ 組
3位 福田裕一&エリザベスグレイ 組

ラテン
1位 正谷恒揮&齋藤愛 組
2位 野村直人&山﨑かりん 組
3位 森田銀河&小和田愛子 組

■全日本選抜ダンス選手権抜 アマチュア
スタンダード
1位 五月女光政&五月女叡佳 組
2位 藤森春樹&金山咲月 組
3位 飯沼孟大&馬場えりな 組

ラテン
1位 太田佳輝&三喜穂菜美 組
2位 大木大樹&大木風香 組
3位 高橋海& 榮岩由莉那 組

今年は長きにわたって活躍された、森田銀河&小和田愛子組の引退や、ラテン部門では正谷恒揮&齋藤愛組のスーパージャパンカップ初優勝などの様々なドラマがありました。

スーパージャパンカップ「観る専/聴く専」とは?

まずは3/4(土)、3/5(日)のスーパージャパンカップの「観る専/聴く専」について簡単に説明させていただきます。

■「観る専」3,300円
初めて競技会を観る方向けのコースで、入場料含めて3,300円。非常にお得なコースですが、こちらには条件があります。社交ダンス初心者か競技会観戦未経験者です。見てみたい、興味があるけど身近に興味のある人がいない。知識もないのに全く知らない世界に行きにくい・・・などと思っている方には特におすすめです。また、競技会は何度も見ているけど「観る専」に興味がある、長く社交ダンスやっているけど、初心に帰ってみたいと言う方は、対象者とご一緒であれば参加できます。今回の観る専の解説は谷堂誠治先生、臼井一史先生、三宅建史先生。

■「聴く専」入場料+3300円
競技会を見ながら、主観だけではなく、ほかの人の見方や、専門家のご意見や解説が聞いてみたいと思ったことがある方にはおすすめです。かなりディープな内容のため初心者以上の方におすすめです。別途入場のチケットは必要です。申し込みは観る専と同じ日程でしたが、今回は特別に急遽当日に何席か追加されていいたようです。
解説があるのは本戦のみで聴く専の解説者は、今回は4日が浅村慎太郎先生、5日は大村淳毅先生でした。

実は、今回その観る専について実際に現場を訪れたAさん(仮名)にお話をお伺いすることができました。

実際に観る専に参加されたAさん(仮名)にお話をお伺いしました!

ーーAさんは競技会へ行かれるのは初めてだとお伺いしましたが?

Aさん:はい、初めてです。TVやオンラインでは最近よく見ていましたが会場で観戦するのは初めてです。

ーー幕張メッセまでは結構遠かったんじゃないですか?何時から参加されましたか?

Aさん:自宅からは大体1時間半ですので結構遠かったです。10:00、12:00、14:00と3回の集合時間があったのですが、私は14:00から参加しました。
普段見に行くライブは大体長くても2〜3時間なのでさすがに10時間は自信がなかったので14:00〜にしました。

ーー会場まではすんなりいけましたか?

Aさん:はい、駅から会場までは適切な場所に案内があったのですんなりいけました。
会場についてまず驚いたことがあります。

ーーどんなことでしょうか?

Aさん:まず、事前にお伺いしていたとおり、集合時間にはスーツ姿の男性が待っていてくださったのですが、お名前を見るとかなりベテランの方のようですし、正直もっとご年配のイメージの方が立っているのかなと勝手に思っていたのですが、細身で美しい紳士的な男性がおふたり待っていてくださったので、まずそこで驚きました。「そうか、みなさんダンサーなんだ・・・」と改めて社交ダンスを見にきたんだとその時点で実感しました。

ーー競技はどこから見れましたか?

Aさん:ちょうど席に到着したときにはかわいいお子様たちがとても美しく踊っていたのでびっくりしました。タイムテーブルでいうと「ジュブナイル決勝」ですね。その後グランドシニアが始まりました。

ーー何人ぐらい参加されていたんですか?

Aさん:私は北側だったのですが、別のお席の方々もいらっしゃったようですし、集合時間も3回に分かれていて、ツアーも2組と、手話で解説を受けていた方達はまた別のグループでしたので正確には把握できていないのですがあの日で私の視界に入ったのは30人ぐらいです。

ーー解説はどんな感じでしたか?

Aさん:レシーバーのようなものとイヤホンを渡されて、解説を聞くんですが観戦初心者にもわかりやすく解説していただきました。「競技ダンス観戦ガイドという小冊子もいただけまして基本用語についてわかりやくす解説してあり、とてもありがたかったです。

先ほどお話しした、グランドシニアがちょうど私と同年代以上の方たちだったのですが、なんとなくグランドシニアというとこれから終結していくのかな?という印象を持っていたのですが、このグランドシニア部門で上位を獲得して次の選抜の出場を狙う方もいるという解説が耳に入ってきてなんだか嬉しくなりました。

ーーツアーはどんなことをされたんですか?

Aさん:まず、ショップ見学、アリーナでの観戦、採点審査室の見学、審査委員長のご挨拶、それからお席に戻って観戦しました。

初めて目の前で見たゴージャスなボールルームダンスの衣装

ーー会場のドレスショップはたくさんの種類のドレスがあったと思いますが、ご覧になった感想はいかがでしたか?

Aさん:ドレスはキラキラと華やかでしたね。ドレスショップやアクセサリー、靴などはチャコットなどで遠目に観ることは今までもありましたが、社交ダンスの衣装を間近で観るのは初めてでした。ボールルームのドレスは見た目ソフトで軽やかに見えますがワイヤーもしっかり入っていて意外と重いのでびっくりしました。女性用だけではなく男性用の衣装もありました。

つけまつげも種類が豊富。あとは靴の説明とか。通勤用の靴などでは踊れないことはわかっていましたが、あんなにしなる柔らかい靴だなんて、私にとっては全てが未知の世界でした。あと、移動している間にもこれから踊る選手や今踊ってきた選手とすれ違ったり、間近で見れるのも嬉しかったです。あとイメージキャラクターのステッピーと記念写真を撮ったりとか(笑)

ちなみに、写真撮影は、スマホの写真だったとしても撮影許可をとるのに1万円かかるんですよ。でも「観る専」は撮影許可証も同時にいただけました。一眼など本格的な撮影機材は禁止ですが、スマホ撮影はOKでした。WEBでの公開についてはちょっとグレーな感じでした。なので会場の様子は写真に撮っているのですがお渡ししていいかどうか判断がつかないのとこの動画のほうがショップの様子がわかると思います。

迫力のアリーナでの観戦

ーーアリーナでの観戦は迫力があったのではないですか?

Aさん:そうですね。高いところから見るのとはやはり違いますね。ボールルーム素敵でしたが、案内をしてくださった方が「ラテンの選手がアピールしてきますから」とおっしゃっていたのですが、最初は意味がわかりませんでした。でも見ていて、ラテンの選手、目力も強いですしね、自分を「魅せる」のがとてもうまくって、しかもそれぞれに個性的で本当にカッコよかったです。

貴重な体験、審査の説明と採点審査室

ーー審査についてスーパージャパンカップは準々決勝から単科戦になりますが、その辺も詳しく説明してもらえましたか?

Aさん:100%全て聞ききれていないというのもありますので、あったのだと思うのですが、審査や採点については正直まだ理解が追いついていません。何がわかっていないかも現時点ではわからなくて、私は結果に対して納得するのみです(苦笑)。ほかの方はいろいろ質問したりしていましたけど、審査基準についてとか・・・、マークシートで採点していくんだなということは理解できました。 採点審査室の方だけではなく審査委員長の説明もありました。でも、このような機会がないと入れない場所であって、聞けないお話でもあったので貴重な体験でした。もうちょっと予習をしていけばよかったかな、と思いました。

その時にちょうど手話解説のグループと合流しまして、審査委員長の言葉を手話で解説する方がいまして、私は手話は全くわからないですが、手話にとても温かい気持ちがこもっている感じがして、そちらのグループの方が熱心に頷きながら聞いて(見て)いるのも印象的でした。

スーパージャパンカップ競技の観戦について

ーー実際競技を見ていて印象に残ったのは何ですか?

Aさん:プロの選抜戦はやはり素晴らしいですね。アマチュア、ジュブナイル、ジュニア、それぞれに魅力的なのですが、一番楽しみにしていたのは「セグエ」です。ラテンのセグエも見たかったのですが、私が見たのはスタンダードです。

ただ、実際のところ、スタンダードとはいえ部門や種目が何であるかという枠を超えたアートで、ほんの数分の間にドラマがギュッと詰め込んであって、見応えたっぷりでした。1組1組が終わった後に会場の解説が入りましたが、アートの領域になってくると勝手な判断や憶測に走ってしまいがちなので、答え合わせの意味でもセグエの解説はありがたいなと思いました。

あと、エキシビジョンでデヴィ夫人も踊られたのですが、あのしなやかさはすごいですね。

ーー観る専はおすすめですか?

Aさん:初めて観る方には絶対おすすめです。私の場合、特にまわりに社交ダンスに興味のある人もいないですし、時間も長いですし、料金も高いというイメージがあったのもあってオンラインやテレビで見れるだけでもいいかなと思っていましたので、今回「観る専」がなければ会場にはいかなかったと思います。スーパージャパンカップはオンラインはありませんが、やっぱりオンラインはアップで見られたりとかアーカイブが見られたりとかオンラインのよさもあって、ただ実際に会場にいくとその場の空気とか、熱気や明日へ向かうエネルギーみたいなものがありますよね。

一人で会場に行ってもいいんでしょうが、不慣れな場所にいくと変にキョロキョロしてしまったり、ちょっと挙動不審ぎみになりそうに思えていたのですが今回は安心して楽しむことができました。

ーーまた参加したいと思いますか?

Aさん:初観戦の方、もしくは初心者が対象なので、一度参加したので希望しても参加できるのかどうか・・・今回の私と同じように初観戦の方を誘えば再度参加できるようですが。受け取ったチケットにはC席8000円と書いてありましたので、誰か観戦未経験者1人誘って奢ってあげたとしてもいい感じですよね(笑)。でも聴く専にも興味がありますし、もうちょっとよいお席にも興味ありますね。

初めての方にはお勧めしたい「観る専」の次回開催予定

今回はスーパージャパンカップについて、「観る専/聴く専」について、「観る専」体験インタビューをお伝えしてまいりました。次回の「観る専/聴く専」は「日本インターナショナルダンス選手権大会2023」で開催されます。詳細はこれから決定されるようです。ご興味のある方は是非、参加してみてください。

日本インターナショナルダンス選手権大会2023
開催日:6/17(土)、6/18(日)
場所:有明コロシアム
観る専/聴く専:https://tatsushimiyake.wixsite.com/mirusen

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