社交ダンスの「ルンバ」はワルツやタンゴと同じく有名なので、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、実際にルンバはどういった特徴があるダンスなのかまでは知らない方も多いと思います。
そこで今回は「社交ダンスのルンバとはどのようなダンスか」という疑問を解消すべく、ルンバの特徴や代表的なステップをご紹介します。
ルンバを踊るときに特徴や歴史などが頭に入っていると、よりかっこよく踊れます。ぜひ本記事でルンバについて学んでいってくださいね。
目次
社交ダンスのルンバとは?
まずは、社交ダンスのルンバとはどのようなダンスかについて簡単にご紹介します。
ルンバは20世紀にキューバで誕生したダンスです。4拍子の音楽に乗って踊られ、2拍目に弱いアクセント、4拍目に強いアクセントをとるという特徴があります。
そもそも社交ダンスには、おもに10種目のダンスがあります。ルンバはこのうちラテン種目に分類されるダンスです。速いテンポの音楽が多いラテン種目ですが、ルンバは比較的ゆったりとした音楽で踊られます。
男女の恋愛模様を描いていることも多く、セクシーで妖艶なダンスともいえるでしょう。
スタンダード種目 | ラテン種目 |
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それぞれのダンスの特徴については下記の記事でご紹介していますので、ぜひ見てみてくださいね。
社交ダンスのルンバの歴史
ルンバは1900年代にキューバで誕生しました。ただし、キューバ人がルンバを踊っていたわけではなく、当時奴隷としてキューバに送り込まれていたアフリカ系民族がルンバを踊っていたのです。
奴隷は足枷をつけられているため素早い動きができません。そのため、ルンバはゆったりとした動きで構成されています。
その後、ルンバはキューバからアメリカへと渡り、そこから世界的にルンバが認知されるようになります。
そしてヨーロッパにもルンバのダンスが知れ渡り、ヨーロッパの人々がルンバに新しいステップや動きを取り入れました。このとき、イギリスの要素を取り入れたものが「キューバルンバ」、フランス・パリの要素を取り入れたものが「スクエアルンバ」へとわかれました。
1962年に英国教師協会が「キューバルンバ」を正式にルンバの基礎とすることを発表し、現在社交ダンスで踊られているルンバになりました。スクエアルンバについては現在でも踊られていますが、キューバルンバと比べるとマイナーなダンスです。
社交ダンスのルンバの特徴
ルンバは5つあるラテンアメリカ種目の1つです。その中でも、テンポや動きが最もゆったりとしています。ゆったりと動くことで男女のもどかしい恋愛を表現しているといわれており、いかに滑らかに動くのかが表現のポイントとなります。
ゆっくりとした音楽で体を動かすため、ルンバは社交ダンスの中でも初心者向けのダンスといわれています。上級者になると、ゆっくりした音楽と動きの中で、どのように自分のよさや表現を見せていくかを楽しめるようになります。
またルンバはフロア上をくるくる回らないというのも特徴です。社交ダンスにはLOD(ライン・オブ・ダンス)というルールがあって、フロア上を反時計回りに回らなければいけません。このルールがあることによって、競技者同士がぶつかることなく、スムーズにダンスができるのです。
一方、ルンバは基本的にその場でステップを踏みます。そのためLOD(ライン・オブ・ダンス)のルールがありません。
社交ダンスのルンバは初心者でも踊れる?
社交ダンスのルンバは初心者でも取り組みやすいダンスといわれています。それはルンバの音楽がゆっくりしており、ステップも易しめだからです。
一方、男女の恋愛模様を表現するため、感情表現が苦手な方には少し難しい側面もあるかもしれません。最初は恥ずかしいと思うこともあるかもしれませんが、音楽をしっかりと聴いて、どのようなストーリーで踊っているかを頭の中で想像するとだんだんと感情表現が楽しくなってくるはずです。
恥ずかしいと思いながら踊っている様子は観客にも伝わるもの。恥ずかしがらずに感情表現をしていきましょう。
スクエアルンバとキューバルンバの違い
先ほどご紹介したとおり、ルンバは「スクエアルンバ」と「キューバルンバ」にわかれますが、社交ダンスで踊るのはキューバルンバです。
おさらいになりますが、キューバで誕生したルンバがヨーロッパにわたり、イギリスの要素を取り入れたものがキューバルンバ、フランス・パリの要素を取り入れたものがスクエアルンバでした。
誕生の歴史以外にも、2つのルンバはステップに違いがあります。
スクエアルンバでは、文字どおり四角を描くように踊ります。身近なダンスでいうと、ボックスダンスのイメージが近いでしょう。
キューバルンバは、男女が離れたり近づいたりを繰り返して愛を表現するダンスです。男性は力強く、女性はしなやかに動くのが特徴で、特に女性がセクシーに見えるので人気があります。
このように、スクエアルンバとキューバルンバは名前こそ似ていますが別物です。社交ダンスをする方は基本的にキューバルンバを踊りますが、機会があればスクエアルンバを踊ってみるのもよいでしょう。
社交ダンスのルンバの代表的なステップ
ここからは社交ダンスのルンバでよくある代表的なステップを2つご紹介します。
- ルンバ・ウォーク
- オープン・ヒット・ツイスト
ルンバ・ウォーク
ルンバ・ウォークとは、腰・腕をくねくねさせながら歩く動きです。ルンバの中でも基礎中の基礎といわれています。そこまで難しいステップではありませんが、社交ダンス初心者の方は、日常では出てこないような動きのため苦戦するかもしれません。
上半身・お尻・足などの動きを一つ一つ意識することで上達がはやまります。ルンバ・ウォークは基礎であり、大事なステップなのでしっかりと習得しましょう。
オープン・ヒット・ツイスト
オープン・ヒット・ツイストは女性から後退するのが特徴的で、女性側が誘うようなステップになっています。このときに姿勢を崩すとかっこよく見えないため、体感や重心を意識しながら踊るのがオープン・ヒット・ツイストを優雅に魅せるコツです。
オープン・ヒット・ツイストもルンバの中で基礎的なステップとされいています。そのためルンバを始める方はオープン・ヒット・ツイストから習い始める方が多いでしょう。
ルンバには、先ほどご紹介したルンバ・ウォークとオープン・ヒット・ツイスト以外にも複数のステップがありますが、この2つのステップはルンバの基礎であるため最初は2つのうちどちらかを踊ることになるでしょう。
社交ダンスのルンバにおすすめの曲3選
社交ダンスのルンバにおすすめの曲を3曲ご紹介します。
- A Whole New World
- Stay With Me
- You Raise Me Up
どれも有名な曲なので気分よく踊れます。ぜひ練習やデモに使ってみてくださいね。
A Whole New World
こちらはディズニー映画『アラジン』で有名な曲「 A Whole New World 」のルンバ調アレンジです。
『アラジン』が恋愛を描いた映画ですので、男女の恋愛模様をイメージしやすいですよね。また、誰もが知っている曲なのでお客さんもしっかりと感情移入して観てくれます。
Stay With Me
こちらは、グラミー賞4冠に輝いたサム・スミスの名曲『Stay With Me』のルンバ調アレンジです。
先ほどの『A Whole New World』とは打って変わって切ない曲調で、大人な男女の恋愛をイメージできそうですよね。動画では、男女が駆け引きするようなドラマチックなダンスを繰り広げています。
You Raise Me Up
ケルティック・ウーマンの世界的に有名な名曲『You Raise Me Up』です。
お互いを支え合う曲ですので、男女の絆をしっかり表現できるかがポイントになります。サビの盛り上がりは踊っているダンサーも観ているお客さんも感情が高ぶること間違いありません。
社交ダンスのルンバでおすすめの動画3選
ルンバを練習するならぜひ見てほしいおすすめの動画を3つご紹介します。
- まずは初心者向けの動画を見てみよう
- ルンバウォークが苦手な人におすすめ
- 世界レベルのルンバを見てみよう
ルンバを踊ったことがない方も動画を見ることでルンバのイメージが広がりますよ。特に世界レベルのルンバは圧巻です。
ルンバを練習中の方や、これからルンバにチャレンジするという方はぜひ見てみてくださいね。
まずは初心者向けの動画を見てみよう
こちらの動画は、まったくの初心者の方に向けてルンバのステップを紹介しているものです。初心者向けのステップは、シンプルで覚えやすそうですよね。
ちなみに、この動画では以下のステップが紹介されています。
- 予備歩(41)
- オープンベーシックムーブメント(2341 2341 2341 2341)
- ニューヨーク(2341 2341 2341)
- スポットターン to L(234)
ルンバウォークが苦手な人におすすめ
こちらの動画では、ルンバに欠かせない「ルンバウォーク」をマスターするためのテクニックを教えてくれます。
プロの社交ダンサーとして踊ってきた経験から、ルンバウォークを独自の視点で解説しているため「これまでルンバウォークがずっと苦手だった」「先生の注意の意味がよくわからない」という方にぴったりです。
世界レベルのルンバを見てみよう
こちらの動画は、2021年におこなわれたRussian Championship Amateur Latinの動画です。
15組のカップルが情緒豊かにルンバを踊っています。世界レベルのルンバはまるで一つの物語を見ているかのようです。
特にこの大会で優勝したアルメン・スヴェトラーナ組は、ゆっくりした動きの中にもキレがあり目が離せない圧巻のダンスでした。
社交ダンスのルンバではどんなドレスを着る?
競技会や教室の発表会に出るときに必要なのが衣装(ドレス)です。ラテン種目の一つであるルンバでは、スタンダード種目と比較して、スカート丈が短く露出が多めのドレスを着ます。
ルンバの衣装を選ぶ際には、以下のポイントを意識してみましょう。
- 情熱的でセクシーな要素を取り入れる
- 装飾はシンプルにする
- インナーは肌色のものを選ぶ
ルンバは男女の恋愛模様を描くダンスです。情熱的でセクシーな要素を衣装にも取り入れましょう。例えば、赤や黒を選ぶ、スリットが入ったドレスを選ぶといった感じです。
また、ルンバはほかのダンスと比べて激しい動きが少ないことが特徴です。そのため、装飾はシンプルにして身体にフィットするドレスを選びましょう。
露出度が高いドレスが多いため、インナーは肌色のものを選ぶと安心です。「社交ダンス インナー」などのワードで検索すると、露出度の高いラテンドレスにも対応できるインナーを見つけられます。
背中の開いているドレスでもしっかりと補正したい方には、下記のインナーがおすすめです。
価格:7,689円 |
まとめ
ルンバはゆったりした動きで、男女の恋愛を表現するという大人のダンスです。またダンス中はフロア上をくるくる回らず、その場で踊るという特徴があります。
ルンバは20世紀のキューバで誕生し、ヨーロッパに渡ってキューバルンバとスクエアルンバの2つに派生したという歴史もご紹介しました。
社交ダンスで踊られるルンバは、イギリスの要素を取り入れたキューバルンバですが、機会があればスクエアルンバも踊ってみると両者の違いがよくわかりますよ。
ルンバでは特に女性がセクシーに映えるので、ルンバを踊ればワンランク上の色っぽさを魅せることができます。
初心者でもチャレンジしやすい種目ですので、ぜひ社交ダンス初心者の方もルンバの表現を楽しんでみてくださいね。ルンバの練習をする前には、今回ご紹介した動画でルンバのイメトレもお忘れなく!