みなさんこんにちは。今回の社交ダンス初心者にオススメ動画はスローフォックストロットです。
スローフォックストロットはスタンダード種目の中でも音楽がゆったりとしていて、気持ちがよくなってきますよね。社交ダンスを始めたばかりの人にとってはこのゆったり感によってなかなかステップのタイミングが合わず、苦手と言う人も少なくないのではないでしょうか。
このスローフォックストロットという名前は実は「キツネの小走り」という意味があるそうです。種目の特徴としては、あまりライズ・ロアーがなく、平坦な踊りで、常に動き続けるようなステップが多いことです。同じような種目にワルツがありますので、それと比べてみてみると違いがすぐにわかるかもしれませんね。
社交ダンスを続けて何年も経つと、ゆったりとしたジャズに合わせて踊るスローフォックストロットの良さがわかってくるものです。
そんなスローフォックストロットを5つの動画を紹介しながらゆっくりと味わってみてください。
目次
1.異色のルーティンで世界チャンピョン
まず最初の動画は元アマチュア世界チャンピョンのEmanuel Vareli – Tania
Kehlet組です。この2人といえば、ユニークなステップで構成していくルーティンが特徴的です。タンゴ、クイックステップは特に奇抜なルーティンを踊りますが、スローフォックストロットも例外ではありません。なんとこの大会の決勝戦、各カップルのソロ競技で彼らはルーティンのほとんどをバックフェザーというステップで踊り終えるのです。他の選手ではなかなか挑戦できるようなことではありません。社交ダンスの審査では、ルーティンの構成も評価の対象となりますが、全体の90%以上を一つのステップで構成していくとは大胆ですよね。ただそのステップをとてもきれいに踊りきるところが彼らを賞賛するポイントです。社交ダンス以外の世界であっても、シンプルであればシンプルであるほど、少しのミスが目立つということがありますが、彼らのバックフェザーは音のタイミングもズレたりブレることなく踊っているので、観客も大盛り上がりです。このように一つのステップを繰り返して踊るダンサーはなかなかいないので、もしもバックフェザーを上達させたいという社交ダンスの初心者の方はこの動画を何度も繰り返し見て研究してみると良いかもしれません。
2.ダイナミックさで魅せるスローフォックストロット
続いてはDimtry Zharkov – Olga
Kulikova組のスローフォックストロットです。この2人の良さといえば、なんと言っても踊りのダイナミックさ。踊りの中でスウェイを大きくかけて、ダイナミックな表現をするのが2人の特徴です。スローフォックストロットもゆったりとした足使いで、スローフォックストロット独特の音楽感を表現していますね。さらにこの動画の中でチェックしてもらいたいところとしては、踊りの緩急です。スローフォックストロットはどうしても音楽がゆったりとしたジャズの曲を使うので、踊りもゆったりと間延びしたような感じになりがちです。しかし、2人はゆったりとした動きとスピンを少しだけ速く回ることで、踊りに緩急をつけていると思われます。そのような工夫を入れたダンスなので、見ていて飽きることがないですし、自然と声援を送りたくなってしまいますよね。
3.小さな体から繰り出すスローフォックストロット
次の動画は日本のダンサー、小嶋みなとー盛田めぐみ組です。小嶋組は言わずと知れた日本のスタンダードトップ選手。長い間、日本のアマチュアトップとして踊り続けています。驚くべきはリーダー小嶋みなと選手の身長です。世界のスタンダードの社交ダンサーに比べて圧倒的に身長が低いのですが、それを感じさせないのが評価すべきところ。低身長だからこそ、スピンなどの素早い回転系の動きやパートナーのネックアクションを入れて、大きなダンスを見せてくれています。他の選手のスローフォックストロットを「ダイナミック・優雅」と表現するならば、小嶋組は「シャープ・回転」ですね。これは高身長の選手にはなかなか真似できないポイントなので、世界と比較して身長が低いからこそできる見せ方なのではないでしょうか。
4.プロだからこそ為せるダンス
続いては、元プロ世界チャンピョンのArunas Bizokas – Katusha Demidova組のスローフォックストロットです。社交ダンスを語る際にBlackpool Dance
festivalのチャンピョンを欠かすことはできません。このカップルの特徴としては、とにかく基本に忠実ということです。この2人のダンスをお手本にして社交ダンスの練習をしてもよいくらいでしょう。プロのスタンダードはアマチュアのものと比べて、ダイナミックな動きが少なくなるので、見ていて面白さがわからないという人もいるかもしれません。この動画の良さは社交ダンスを始めて数年が経った時にわかるかもしれませんね。何と言っても、プロはルーティンに組み込まれているステップをとにかく丁寧に踊ることが評価されます。身体を捻ったり、わざと身体を反らしたりすることもほとんどありません。その分、ステップのきれいさがシンプルに評価されています。社交ダンスを始めたての頃はアマチュアのダイナミックな動きに憧れるかもしれませんが、ぜひプロの踊りを参考に踊ってみてもらいたいと思います。
5.自分の好きな選手を見つけてみては?
最後の動画は1組のカップルを紹介するというよりも、いくつかのカップルを見比べてみてもらいたいという動画です。これは毎年行われている、日本インターナショナルダンス選手権大会のプロフェッショナルスタンダード決勝のものです。この大会の特徴としては、決勝戦で各カップルが大会側が事前に決めているステップ「規定フィガー」と呼ばれるルーティンを踊ります。規定フィガーを踊りおえたら各カップルのルーティンを踊っていくというソロダンスを披露するという審査方法です。毎年この大会にはBlackpool
Dance Festivalの決勝戦にも残るようなカップルも出場しているので、日本の選手と海外の選手でどのようにダンスが違うか、今年の規定フィガーはどのようなものかなどをみるという楽しみ方もあります。ちなみにこの大会では背番号127のVictor Fung –
Anastasia Muravyeva組というブラックプールのプロスタンダード部門ファイナリストです。7組のカップルが順番に踊るので、自分で順位の予想をしてみても面白いかもしれません。
いかがでしたでしょうか。1~5で紹介したスローフォックストロットを見ても、カップルによって踊り方が全然異なりますし、プロ選手とアマチュア選手によっても異なりますよね。社交ダンスの良さは踊りに正解は存在していないということだと思います。それぞれのカップルがそれぞれの踊り方をして良い。そのダンスで周りを魅了して、楽しませることができるのが社交ダンスです。是非どんどん社交ダンスの練習を積んで、優雅に踊れるようになりたいものですね。
今回はスローフォックストロットを紹介しました。スタンダードの種目の中でもゆったりとした落ち着きのある種目でしたね。社交ダンスを始めたばかりの人にとってはテンポがゆっくりでなかなかステップのタイミングを掴みづらいことがあるかもしれませんが、慣れてくると表現の幅がかなり多くて踊っていて楽しい種目なので、諦めずにどんどんチャレンジしていってもらいたいと思います。