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競技ダンスと社交ダンスって何が違うの?その2つの違いについて
社交ダンスと聞くと、競技ダンスをイメージする方が多いようです。
これはもしかしたら某テレビ番組の影響があるのかもしれませんね。
しかしそんな認識を持っているのは、恐らく日本人だけなのではないでしょうか?
本来社交ダンスというのは、そんなに堅苦しいものではないんですよ。
しかし競技用ダンスとなると話は違ってきます。
そもそも競技用ダンスと社交ダンスでは目的が違うんです。
この記事では競技用ダンスと社交ダンスの違いや競技ダンスの種目などについてご紹介していきたいと思います。
競技用ダンスと社交ダンスの目的の違いとは?
まず最初に競技用ダンスと社交ダンスの目的の違いを明確にしておきましょう。
社交ダンスの目的は社交の場、要するにパーティーなどの席で楽しく踊ることを目的としています。
他人と競い合う訳ではなく、パートナーや曲も自由に選ぶことが出来るんです。
ダンスのスキルもある程度は必要ですが、それ以上に社交マナーを身につけておく必要があります。
社交ダンスは社交の場で多くの方たちとコミュニケーションをとるためのひとつのツールであるといえるんです。
他の選手との技術を争う競技ダンス
それでは競技ダンスとはいったいどういったものなのでしょうか?
競技ダンスとは、他の選手たちとの技を競い合うことを目的としています。
パートナーも社交ダンスの様に毎回違うという訳ではなく、決まった相手と練習を重ねていきます。
そして大会に出場すると、ルールに基づいて芸術的要素や運動的要素を厳密に審査されるんです。
課題曲も決められるので、他の選手との技術の差がハッキリと点数に現れます。
その緊張感は大会に出た者にしか分からないでしょう。
社交ダンスの種目について
混同されやすい社交ダンスと競技ダンスですが、目的以外にダンスの種類にも違いがあります。
ダンスは基本的には「スタンダード」と「ラテンアメリカン」の2つに分けることが出来ます。
その中にもそれぞれ5種類ずつの種目があるんです。
実際にどんな種目があるのか細かく見ていきましょう。
スタンダード5種目
まずは「スタンダード」と呼ばれる種目について説明していきます。
スタンダードの場合、ホールドと呼ばれる組み方をして踊ります。
パーティーの場では服装は自由ですが、大会に出場する場合は男性は燕尾服、そして女性はロングドレスを着てダンスを踊るんですよ。
それではさっそくスタンダードの5種目を紹介していきます。
ワルツ
日本ではスローワルツにことを指しますが、海外ではウィンナワルツのことを指します。
ワルツは3拍子のゆったりとした音楽に合わせて踊ります。
1拍目にアクセントがあり、流れるように回転しながら優雅に、そして大きく上下しながら踊るのが特徴的なダンスです。
競技ダンスの場合は1種目目に選ばれることが多く、そのペアの第一印象を決める大切な役割を果たします。
タンゴ
タンゴには「アルゼンチンタンゴ」と「コンチネンタルタンゴ」の2種類があります。
ジャンル的にはアルゼンチンタンゴは競技ダンス、そしてコンチネンタルタンゴは社交ダンスと分けることが出来ます。
タンゴの特徴は、その力強く情熱的な踊りです。
4拍子のスタッカートの効いた歯切れの良い音楽に合わせて踊る様は、力強さの中にも優雅さがあり、見ている者を圧倒します。
競技ダンスでは2種目目に選ばれることが多いので、ワルツの優雅さとタンゴの力強さの対比を表現することとなるんです。
スローフォックストロット
スローフォックストロットは、ゆったりとした音楽に合わせて緩やかで流れるような動きが特徴的です。
例えるなら大草原の中を大きくゆったりと歩いているようなイメージのダンスです。
大きな上下運動はなく、時には女性がヒールターンを魅せることで非常に優雅な雰囲気を楽しむことが出来るんですよ。
カウントのとり方が難しく、パートナーとの息の合った動きが重要となります。
クイックステップ
クイックステップはスタンダードの中では最もスピード感があり、常に動き続けているといったイメージのダンスです。
4拍子のアップテンポの曲に合わせ、1拍目と2拍目にアクセントを持たせます。
飛んだり跳ねたり、とにかく軽快で素早い動きが求められるダンスなんです。
パーティーではジルバと同じ曲で踊ることが多いので、同じフロアで異なるダンスを踊っているカップルを目にします。
競技ダンスの場合は最後に踊ることが多い種目となります。
ヴェニーズワルツ
ヴェニーズワルツはワルツの中でも比較的テンポの早い3拍子の曲に合わせて踊るダンスです。
19世紀のウィーンで大流行したヴェニーズワルツは、その後世界的に有名な踊りとなりました。
他の種目と比べると圧倒的にステップの数が少ないのが、このダンスの特徴となります。
伝統を守るために応用的なステップを作らないと決められているのが理由です。
競技ダンスでは3曲目か最後に踊ることが多く、また予選では踊らず準決勝以降に温存する選手も多いんですよ。
ラテンアメリカン5種目
スタンダードがホールドと呼ばれる組み方をして踊るのに対し、ラテンアメリカンの場合は組んだり離れたり、または片手を繋いだり。
様々なポジションを取りながらエキサイティングに踊る種目なんです。
スタンダードに比べてラフな衣装で楽しむ方が多いのも、この種目の特徴だといえます。
それではここからはラテンアメリカンの5種目について紹介していきます。
チャチャチャ
チャチャチャはラテンアメリカンの種目の中でも特にリズムの速い種目となります。
フロア上を移動する他のダンスとは違い、その場に留まって踊るのがチャチャチャの特徴です。
リズミカルな音楽に合わせて陽気に明るく軽快なステップを楽しむことが出来ます。
リズムの早いチャチャチャですが、マンボに比べるとスローなので美しいステップを踏むことが出来ると世界中で人気を集めた種目なんです。
競技ダンスでも明るく陽気なイメージを演出する為にチャチャチャを選ぶペアは少なくないんですよ。
サンバ
サンバといえば、やっぱりブラジルですよね。
まさにリオを彷彿させるとっても陽気な種目です。
2拍子のリズムを強調したサンバは他の音楽とは明らかに違うダンス音楽の地位を確立しています。
サンバの魅力は、やはり他の種目にはない屈伸運動を利用した弾むようなバウンスアクションと呼ばれる動きです。
本来のサンバは社交ダンスや競技ダンスのサンバとはまったく異なるのですが、本場のサンバから進化を遂げたペアダンスは多くの方に愛されているんですよ。
ルンバ
キューバのアフリカ系住民の間で生まれたルンバ。
それはまさにキューバ生まれのラテン音楽、リズムであり、ダンスとして見事に表現されています。
ルンバの特徴は、まるで恋人同士の2人が愛情表現をしているかのような情熱的な踊りです。
ゆったりと流れる音楽に合わせて踊るので、かなり高度な技術が求められます。
その為、競技ダンスでも上級者でなければ高得点を得ることは出来ないでしょう。
逆に社交ダンスでは、その情熱的なダンスが人気のようです。
パソドブレ
パソドブレはスペインの闘牛士とフラメンコをイメージしたダンスです。
男性はマタドール(闘牛士)、そして女性はカポーテ(闘牛に使われる赤いケープ)となり、命を懸けた戦いを演じます。
時には女性が闘牛をイメージして踊ることもあるんですよ。
パソドブレはホールドを組むことが多く、サンバと同じようにフロアを駆け巡ります。
骨盤を前に出したり顎を引いたりと、独特のシェイプで踊るんです。
特に競技ダンスでは2人の息がピッタリ合っていないと観客や審査員を魅了することは出来ません。
ジャイブ
ジャイブはアメリカのハーレムで生まれました。
飛び跳ねるように踊るイメージのダンスで、アップテンポの曲調に合わせて踊ります。
競技会では上級戦の最終予選以上でしか実施されないので、競技ダンスの選手の中でも会場で踊ることが出来るのはほんの一握り。
逆に社交ダンスでは、その自由なスタイルがとっても人気で。
ダンスパーティーなどでも盛んに踊られている人気種目のひとつなんですよ。
競技ダンスと社交ダンスの違いまとめ
競技ダンスと社交ダンスの違いは、競技会に出るか出ないかだけではありません。
社交ダンスを楽しんでいる方たちは、それぞれが自分の目的を持ってダンスを楽しんでいるんです。
そもそも社交ダンスというのは自分自身が楽しむために行うものです。
男女がペアになって男性が女性をリード、そして女性はそれに応える。
そんな本来あるべき男女の姿を楽しめるのが社交ダンスなんです。
社交ダンスを楽しんでいく中で最高のパートナーを見つけることが出来たら、そこから2人で競技ダンスを目指してみるのも良いのではないでしょうか?