今年は熱くなりそう!夏の全日本学生選抜競技ダンス選手権大会「夏全」

全日本学生競技ダンス連盟で主催する競技会で大きな大会といえば11月に開催される全日本学生競技ダンス選手権大会(通称:冬全)と7月に開催される全日本学生選抜競技ダンス選手権大会(通称:夏全)があります。今回は夏全の歴史、開催時間、過去の結果、夏全の楽しみ方、WEB情報について追跡してみました。

全日本学生選抜競技ダンス選手権大会(通称:夏全)の歴史

第1回目の夏全が開催されたのは1963(昭和38年)。「全日本学生選抜舞踏選手権大会」というタイトルで開催され、冬全(1956年)より7年ほど遅いスタートでした。その後徐々に学連アマチュア規定や競技会の基盤が確立されていきました。1984年に競技会のタイトルが「舞踏選手権」から「競技ダンス選手権」に改称され、夏全も「全日本学生選抜競技ダンス選手権大会」に改称されています。

スタートはモダン(スタンダード)のみで開催されていました。1980年代にラテン部門の種目、チャチャチャとルンバ、サンバがが正式に種目に入り、パソドブレが入ったのは1990年代半ば以降です。

1989年に夏全が神戸(神戸市中央体育館)で開催されて以降、関東、関西交互に開催されていましたが、2003年 第41回が千葉ポートアリーナで開催されているのを最後に、翌年2004年より大阪の「なみはやドーム」現在の「東和薬品RACTABドーム」で開催されています。夏全の場所や詳細については全て関西ブロックに委ねられているようです。

夏全の開催時間について

開催時間については毎年若干の違いはあると思われますが、基本的にはそう大幅には変わらないと思われます。開場は8時半前ぐらいで、9時頃より練習がはじまり、1次予選はモダンから9時過ぎには始まります。モダンとラテンが交互に行われ、昼食をはさんで13時過ぎにに2次予選。15時を過ぎると3次予選が始まり、16時を過ぎるといよいよ準決勝。17時を過ぎると下位決勝が行われ、順位は12位までつきます。17時半ごろからまずはモダンの審査員紹介が始まりモダンの決勝が行なわれます。その後18時ごろからラテン審査員紹介に続きラテンの決勝が行われます。18:30から優勝者のオナーダンスが行われ19時ごろ閉会となります。

歴代の夏全の結果

現在記録に残っているのが2004年以降の記録で「東部日本学生競技ダンス連盟」「関西学生競技ダンス連盟」のホームページに公開されている結果より3位までを抜粋させていただきました。年度によって、総合戦の結果が出ていない年度については「情報なし」と記載させていただいております。

年度
団体
モダン
ラテン
会場
2004 第42回 1位 一橋大学
2位 岩手大学
3.5位 獨協大学
3.5位 筑波大学
1位 池田昌和&久保斐美(一橋大学)
2位 貫名強&柴原まりこ(電気通信大学)
3位 小野将聡&蒲生智美(獨協大学)
1位 須藤達矢&工藤綾(岩手大学)
2位 飯沼 敏行&小出由香(名城大学)
3位 安部義明&酒井麻衣(一橋大学)
なみはやドーム
2005 第43回 1位 筑波大学
2位 電気通信大
3位 東京大学
1位 佐藤圭助&山下玲奈(北海学園大学)
2位 貫名強&柴原まりこ(電気通信大学)
3位 水出光&雨宮)可奈(筑波大学)
1位 塩原悠希&河野有香(電気通信大学)
2位 安部義明&酒井麻衣(一橋大学)
3位 宮崎誠&北本純子(同志社大学)
なみはやドーム
2006 第44回 1位 早稲田大学
2位 電気通信大学
3位 東京大学
1位 松島望&長嶺愛(慶應義塾大学)
2位 長井英生&吉田朋菜(東洋大学)
3位 美宅光&藤崎理未(早稲田大学)
1位 豊島希春&岸野知佳(東京理科大学)
2位 泉山駿&中嶋若乃(東洋大学)
3位 梅原靖&青田美有紀(同志社大学)
なみはやドーム
2007 第45回 1位 電気通信大学
2位 早稲田大学
3位 上智大学
1位 亀川隆史&田中央后(電気通信大学)
2位 小林恒路&八木恵里香(上智大学)
3位 長井英生&吉田朋菜(東洋大学)
1位 落合哲朗&魚谷枝里佳(獨協大学)
2位 森戸太一&和泉元美典(立命館大学)
3位 日野雄樹&小林都(東洋大学)
なみはやドーム
2008 第46回 1位 電気通信大学
2位 早稲田大学
3位 千葉大学
1位 清水太地&生田麻里奈(京都大学)
2位 田中孝康&加藤美智子(東京大学)
3位 堀池篤志&川口奈緒子(千葉大学)
1位 中川智宏&小川結紀(電気通信大学)
2位 宇都雅輝&木内美奈(電気通信大学)
3位 鈴木翔治&斉藤温子(首都大学東京)
なみはやドーム
2009 第47回 1位 早稲田大学
2位 No.4 東京大学
3位 首都大学東京
1位 栗栖和丸&小畑魅空(筑波大学)
2位 矢口雄基&中村公香(東京大学)
3位 細谷竜馬&小野梓(東北大学)
1位 中川智宏&小川結紀(電気通信大学)
2位 須山陽平&金子絢(一橋大学)
3位 濱田健史&安福絵里子(東京理科大学)
なみはやドーム
2010 第48回 情報なし 情報なし 情報なし
2011 第49回 1位 東京大学
2位 早稲田大学
3位 北海道大学
1位 山田恭平&秋山彩織(早稲田大学)
2位 藤森春樹&杉山佑子(早稲田大学)
3位 馬場圭祐&小田浩美(東京大学)
1部 小斎健太&小山きらら(北海道大学)
2位 近藤智一&池頭美里(武蔵野美術大学)
3位 住田翔&村松早(慶応大学)
なみはやドーム
2012 第50回 情報なし 情報なし 情報なし
2013 第51回 1位 東京大学
2位 大阪大学
3位 電気通信大学
1位 佐井倭祐&小寺真莉子(東京大学)
2位 熊谷光晃&村井絢香(中央大学)
3位 一松拓馬&横田眞衣(大阪大学)
1位 長谷川裕紀&吉田稲美(電気通信大学)
2位 楠和輝&中島 陽佳(岡山大学)
3位 勝部晃&細田未来(立教大学)
なみはやドーム
2014 第52回 1位 電気通信大学
2位 東京大学
3位 一橋大学
1位 杉本健輔&矢島歩(東京大学)
2位 楠木義久&富岡真子(青山学院大学)
3位 ベロスルドフイアロスラフ&下條花子(東部推奨)
1位 渡邉功&櫻田泉(日本大学)
2位 高巣陵&岩田彩里(一橋大学)
3位 高田昌央&田中志保(関西外国語大学)
なみはやドーム
2015 第53回 情報なし 情報なし 情報なし 東和薬品
RACTABドーム
2016 第54回 1位 北海道大学
2位 早稲田大学
3位 東京大学
1位 前田康人&吉田舞(東部推奨選手)
2位 内田 和孝&新井 さくや(早稲田大学)
3位 髙木道仁&片岡玲子(東京大学)
1位 舘紳也&佐々木彩乃(岩手大学)
2位 阿部啓一郎&佐々木春菜(東北大学)
3位 矢野耀次朗&阿部春香(上智大学)
東和薬品RACTABドーム
2017 第55回 1位 東京大学
2位 獨協大学
3位 慶應義塾大学
1位 北航平&山岸加奈(北海道大学)
2位 高橋直人&白樫礼子(東京大学)
3位 岸上航&高柳薫(大阪大学)
1位 溝口亮&池田安那(東京大学)
2位 高木吉盛&永井亜季(東京大学) 
3位 須藤大迪&髙橋莉瑚(獨協大学)
東和薬品RACTABドーム
2018 第56回 1位 東京大学
2位 獨協大学
3位 明治大学
1位 高橋直人&白樫礼子(東京大学)
2位 内藤裕二&中尾優花(東部推奨選手)
3位 萬代哲也&林可奈子(東京大学)
1位 松岡孝宣&藤原咲那(東部推奨選手)
2位 須藤大迪&髙橋莉瑚(獨協大学)
3位 木梨鴻英&青木彩乃(中央大学)
東和薬品RACTABドーム
2019 第57回 1位 東京大学
2位 大阪大学
3位 慶應義塾大学
1位 アングル相貴&菊田和嘉子(慶應義塾大学)
2位 天澤諒哉&大谷愛華(大阪大学)
3位 三井所清人&天野里砂(東京大学)
1位 桂聖幸&西村文花(福岡大学)
2位 永松雅功&天野聡美(東京大学)
3位 高橋将貴&堀江 香純(東京外国語大学)
東和薬品RACTABドーム
2020 第58回 中止 中止 中止 中止
2021 第59回 情報なし 情報なし 情報なし 東和薬品RACTABドーム
2022 第60回 情報なし 情報なし 情報なし 東和薬品RACTABドーム

夏全で審査される部門、種目について

部門はスタンダードとラテンアメリカンですが、学連の競技会においてはスタンダードは「モダン」という部門になっています。
冬全は「団体」「フォーメーション(FM)」種目別に審査される「単科戦」であるのに対し、夏全は「団体」と「モダン部門」「ラテン部門」で審査される「総合戦」であるという違いがあります。審査員はモダンが7名、ラテンアメリカン7名の計14名で行なわれます。

“モダン種目(男性と女性が組んで踊ります)
ワルツ(スローワルツ):3拍子の円舞曲にあわせて踊る優雅なダンスです。
タンゴ:シャープさが必要とされる情熱的なダンスです。
スローフォックストロット:自然で流れるような流麗なダンスです。
クイックステップ:別名ランニングステップともいわれる軽快なダンスです。

ラテン種目(男性と女性が離れて踊ります)
チャチャチャ:明るく弾けるような音楽で踊る楽しく華やかなダンスです。
サンバ:早いテンポのブラジル音楽で踊る、明るく、激しいダンスです。
ルンバ:スローテンポのまといつくようなラテン音楽で踊る魅惑的なダンスです。
パソドブレ:スペインの闘牛をイメージした力強く、迫力のあるダンスです。
(引用元:http://www.toubugakuren.com/gamerule.html)”

夏全の楽しみ方

まずは競技会を楽しむ方法として、次の4つの楽しみ方があります。踊りそのもののパフォーマンスを楽しむ、華やかな衣装を楽しむ、楽曲を楽しむ、審査結果を楽しむというのが主な楽しみ方になります。その方法について簡単に説明させていただきます。

1.パフォーマンスを楽しむ

学生の競技ダンスとはいえ、一定の選抜基準を勝ち抜いた大学の選手が出場しますので、どの大学も、どの選手も非常にレベルが高いです。選手はこの日のために練習に練習を重ねて本番には華麗なパフォーマンスを披露します。さらに同じ楽曲で10組の選手が同時に踊っていたとしても表現は10組とも違います。その技術や表現力を見るのは主な楽しみ方のひとつです。

2.衣装を楽しむ

競技ダンスの衣装は見ているだけでも楽しい華やかな衣装です。モダン部門は男性は燕尾服、女性は華やかなロングドレス、ラテン部門では男性は胸元を開けたラテシャツ、女性は元気でセクシーなラテンドレスです。学生らしい品位を失わないよう細かい規定はありますが、その中でもそれぞれの個性が存分に発揮されています。

3.楽曲を楽しむ

それぞれの種目の楽曲についてはクラシックの曲や、流行した曲のアレンジの曲など、いろいろな楽曲が使われています。どの種目でどんな曲が使われているのか、その曲に対してどのように踊っているのかを見るとよりダンスを見るのが楽しくなります。またご自身でリズムをとってみるのも会場と一体になってより楽しめるかと思います。

4.審査結果を楽しむ

競技ダンスはそれぞれ順位がつけられますが、その競技会ごとに審査方法は違います。夏全の個人の結果についてはモダン、ラテンともに総合の結果で順位がつけられます。一つの種目が良くてもほかの種目が振るわない場合上位に入れず、またその逆もあり、ほかの競技会とは全く違った結果になる可能性もあります。推しのペアを見つけたり、審査結果を予測するという楽しみ方もあります。

そのほか、学生ならではのフレッシュさや躍動感、熱気、勝利の瞬間の感動など、その場の雰囲気というのは何物にも変えがたい楽しみになるでしょう。

SNS/ WEB情報

SNSやWEB上でも夏全の写真は多く見られますが、写真撮影、SNSへのアップロードについては事前に申請をすませたOB、OGの方のみに限定されています。各大学のTwitterアカウントを見るとたくさんの華やかな大会の写真が公開、Retweetされています。

東部日本学生競技ダンス連盟のTwitterアカウントでは事務連絡がほとんどですが、ドレスチェンジ動画が公開されていました!

Instagramでは昨年の競技会のアーカイブが見れます。その中からモダンとラテンの決勝をピックアップさせていただきました。
モダン決勝
https://www.instagram.com/p/Cf01JEbBqSW/
ラテン決勝
https://www.instagram.com/p/Cf036r0BeVM/

YOU TUBEにも公開されています

スローフォックストロット

チャチャチャ

今年の夏全は熱くなりそう!

今回は夏全の歴史、開催時間、過去の結果、夏全の楽しみ方、WEB情報について追跡させていただきました。

2022年の冬全は健康チェック表を提出のうえ観客の来場を受け付けはじめていますので、2023年こそは夏全も開場されるでしょう。入場料も無料もしくはかかったとしても数百円程度だと思われますので、その際はぜひ応援にいってみてください。学生の方は明日への意欲が湧き、大人の方はきっとフレッシュな魅力で爽やかな気持ちになれるでしょう。

参考:全日本学生競技ダンス連盟HP:http://unidance.wp.xdomain.jp/
東部日本学生競技ダンス連盟HP:http://www.toubugakuren.com/schedule.html
関西学生競技ダンス連盟HP:https://www.kansaigakuren.net/index.html