【社交ダンス】スタンダード部門とは?気になる9つのポイントを一挙紹介

社交ダンスと聞くと、パーティなどで男女が腕を組み、ドレス姿で優雅に踊るイメージがあるかもしれません。
社交ダンスには大きく2つの部門があり、1つは「スタンダード(ボールルーム・モダン)」、もう1つが「ラテンアメリカン」です。
今回は、そのスタンダード部門について詳しく解説します。スタンダードは全部で5つの種目があり、それぞれ違った特徴を楽しめます。さらに、始める際の基礎知識もまとめていますので、これから社交ダンスを学びたい方の参考になれば幸いです。

社交ダンスのスタンダードは5種目

社交ダンスのスタンダード部門は「ワルツ」「タンゴ」「ヴェニーズワルツ」「スローフォックストロット」「クイックステップ」の5種目です。
スタンダードは男女が腕を組み、基本的には離れず踊るのが特徴。男性は燕尾服、女性はロングドレスで、弦楽器の曲調に合わせて優雅に踊ります。
ここでは5種目それぞれの基本的な特徴と、参考動画を紹介します。

ワルツ(Waltz)

ワルツは「スローワルツ」とも呼ばれる、スタンダードを代表する人気種目。
3拍子の1拍目にアクセントを置き、上下運動を伴う「波のような動き」が特徴です。カップルがくるくると回転しながら、ドレスがふんわり広がる様子はとても華やか。
発祥は13世紀ごろのオーストリアやドイツで踊られていたヴェラーと言われていますが、農民文化から貴族に広まり洗練され、今のワルツになりました。

▼ワルツの動画

詳しくは
社交ダンスのワルツとは|成り立ちや基本的な動きを解説

タンゴ(Tango)

タンゴはアルゼンチンタンゴとは異なり、欧州で変化した「コンチネンタルタンゴ」。4拍子で、1拍目と3拍目にアクセント。
スタッカートの効いた力強い動きや「首振り(ネックアクション)」が特徴で、キレのあるダンスとして人気です。
大きくイングリッシュスタイルとイタリアンスタイルに分かれ、イタリアンのほうがより鋭く攻撃的なイメージを与えます。

▼イングリッシュスタイルのタンゴ

▼イタリアンスタイルのタンゴ

詳しくは
社交ダンスのタンゴとは|どんなステップや動きをするの?

ヴェニーズワルツ(Viennese Waltz)

ヴェニーズワルツは「ウインナワルツ」とも呼ばれ、テンポが速いのが特徴。ウィーン会議(1814年)を機にヨーロッパ全土に広がり、ヨハン・シュトラウス2世が完成させたとされます。
動きは単純ですが、速い回転を続けるため上級者向けと言われ、目が回りやすいです。

▼ヴェニーズワルツの動画

詳しくは
社交ダンスのヴェニーズワルツとは|ワルツとは何が違うの?

スローフォックストロット(Slow Foxtrot)

スローフォックストロットは、ゆったりした4拍子で1拍目と3拍目にアクセント。常に移動し続ける「止まらない動き」が特徴の滑らかなダンスです。
19世紀末にアメリカで生まれたフォックストロットがイギリスで洗練され、ワルツの要素を取り入れて生まれました。
ワルツと似ていますが上下運動が少なく、慣れるまで違いをつかむのが難しいとされます。

▼スローフォックストロットの動画

詳しくは
社交ダンスのスローフォックストロットとは|ワルツとの違いも解説

クイックステップ(Quickstep)

クイックステップはスタンダードの中でも明るくリズミカルな種目。
1920年代、チャールストンの影響を受けたフォックストロットが派生してクイックステップになったと言われています。
テンポが速く、跳ねるようなステップや軽快なフットワークを要するため難易度が高めですが、とても華やかです。

▼クイックステップの動画

詳しくは
社交ダンスのクイックステップとは|どんなステップがある?

スタンダードで男女が離れない理由

スタンダードでは、男女が常にホールドを組み、腕をしっかり接した状態で踊ります。これによりペアの一体感が増し、優雅さや安定感が生まれるのです。
離れる動きが少ないため、2人の位置関係(ポジション)がとても重要。以下で大事なポイントを解説します。

基本のポジション:クローズドポジションとプロムナードポジション

  • クローズドポジション: 2人のボディを平行に保ち、男性の正面に女性が立つ形。実際は少しずれて立ち、男性がリードしやすいよう工夫します。
  • プロムナードポジション(PP): 2人が同じ方向を向いて前進できる形。男性の右ボディに女性の左ボディを当てる。女性は男性の少し後方にずれるのがポイント。

これらのポジションを維持するには、姿勢や骨盤の向きがとても大切。次で解説します。

骨盤の向きを変えないことがキモ

スタンダードでは、回転や脚の振り上げ動作などがあっても、骨盤の向きは常にキープしなければブレが大きくなります。
骨盤が傾くと体重移動にズレが生じ、パートナーとのホールドやリードがうまくいきません。
片足立ちで骨盤を動かさず脚を振る練習などをし、骨盤を固定したまま上半身を安定させる意識を持ちましょう。

スタンダードのホールド作り

ホールドとは、男女が腕を組んだ姿勢のこと。
基本的には男性が枠をつくり、女性がそこに合わせる形です。
女性は肩や腕に余分な力を入れず、適度な脱力をキープしながら男性に体を預けます。視線は男性の横顔あたりに合わせるのが一般的です。

スタンダードシューズの選び方

社交ダンスを始める際にまず必要なのがシューズ。スタンダードの場合は、パンプスタイプがおすすめ。
ヒールの高さは3cm~7cmほどありますが、5cm前後が安定しやすく踊りやすいとされます。
サテン地など肌になじむ色を選ぶと、脚を長く見せる効果も期待できます。試着して足に合うものを厳選しましょう。

スタンダードの練習時のスカート

練習時は、踊りをイメージしやすいよう膝下丈のフレアスカートなどが便利です。
回転が多いので、広がりやすいフレアタイプを選ぶと体の動きを確認しやすく、女性らしさも演出できます。
下にはレオタードやレギンス、専用インナーなどを組み合わせると安心です。

スタンダード用ドレスは試着が必須

競技会や発表会など本格的な場に出るときは、スタンダード用のロングドレスが必要に。
丈は膝下~足首ほどで露出が控えめ、フリルや装飾でゴージャス感を出します。
初心者は左右対称のドレスを選ぶと、身体の歪みが目立ちにくいのでおすすめ。
必ず試着し、自分の体型やイメージに合うか、サイズが合っているかをしっかり確認しましょう。

スタンダードの髪型:おすすめスタイル

本番はしっかり髪をまとめて踊るのが基本です。
シンプルにまとめるシニヨンやポニーテール、巻き髪をまとめるゴージャススタイルなどいろいろ。
ホールドを取る際に邪魔にならず、首元や背中がすっきり見えるデザインを意識しましょう。
スプレーやジェルでおくれ毛を抑えるなど、仕上げの細部までこだわると完成度が上がります。

スタンダードで女性のシェイプを作るコツ

スタンダードは常に姿勢を正し、腕をキープするので背中や腕は自然と引き締まります。
下半身も多彩なステップで脚を使い、メリハリが出やすい種目ですが、加えて普段から姿勢を意識するとさらに効果UP。
鏡で肩の位置やアゴの角度をチェックし、「美しい姿勢=脂肪燃焼効率も高い」と心得ましょう。

下半身の巡りを良くするストレッチやマッサージをプラスすれば、むくみや疲労感も軽減され、よりスタイルアップが期待できます。

まとめ

社交ダンスのスタンダード部門は、ワルツ / タンゴ / ヴェニーズワルツ / スローフォックストロット / クイックステップの5種類。
いずれも男女が組んで踊るのが基本で、姿勢や骨盤の向き、ホールドの作り方がとても大事です。
シューズやスカート、ドレスを揃える際は、試着やサイズチェックをしっかり行い、自分に合ったものを選びましょう。

スタンダードならではの優雅さと華やかさを存分に楽しみながら、美しく引き締まったシルエットへと変身できます。
ぜひスタンダードから社交ダンスを始めてみませんか?

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